JP083 鳥島(とりしま)
東京都:鳥島
位置 | N 30°29′ E 140°18′ |
面積 | 453ha |
環境構成【火山地形(島嶼)/樹林(照葉樹林)】
鳥島(面積0.048㎢)は、東京から約600㎞南に位置する火山島である。かつては、アホウドリが島を覆うほど多数繁殖していたが、明治維新後、羽毛採取のための乱獲が行われ、その数は激減した。乱獲はアホウドリ採取禁止となる1933年まで続き、年間20万羽、推定約500万羽が殺された。その後、一度は絶滅宣言が出されたが、1951年、鳥島でごく少数が再発見された。その後60年以上にわたり保護活動が続けられ、現在では約3,500羽にまで回復している。同島では、このほか、クロアシアホウドリ、カンムリウミスズメも繁殖している。
選定理由
A1 | アホウドリ・クロアシアホウドリ・カンムリウミスズメ |
A4i | アホウドリ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<その他>
国指定天然記念物鳥島
保全への脅威
- 鳥島は火山島であるため、噴火活動によりアホウドリのコロニーが大きく影響を受ける可能性がある。そのため、小笠原諸島の聟島への新たなコロニー移設がアホウドリ保護増殖事業により行われている。
- 移入種のクマネズミによるオーストンウミツバメの卵の食害が報告されている。オナガミズナギドリについては捕食を受ける可能性がある。
- 急傾斜な繁殖地への土砂流入がかつて起き、東京都等により砂防工事やハチジョウススキの植栽などによる対策がこれまでに取られてきている。今後も生じる可能性はある。
保全活動
- 環境管理:実施者(東京都)
内容:繁殖地における土砂流出を防ぐための砂防工事やハチジョウススキの植栽を実施。 - 外来種のコントロール:実施者(環境省関東地方事務所)
内容:2013年からオーストンウミツバメの繁殖エリア内で殺鼠剤の散布を開始している。 - モニタリング調査:実施者(東邦大学名誉教授・長谷川博氏、公益財団法人山階鳥類研究所)
内容:個体群のモニタリングを実施(東邦大学、環境省モニタリングサイト1000事業)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 344KB)
※鳥島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら