JP073 盤州・富津干潟(ばんず・ふっつひがた)
千葉県:木更津市、袖ケ浦市、富津市
位置 | N 35°24′ E 139°54′ |
面積 | 2,400ha |
環境構成【干潟】
写真:岡本裕子
■盤洲干潟:小櫃川右岸防潮堤の北西側に広がる河口三角州(43ha)と、その先の前浜干潟(1,400ha)から成る。三角州はヨシ、アイアシを主とする塩性湿地で、感潮クリーク(塩水と淡水の影響を受けている水路)が入る。一部にアズマネザサ群落、エノキ林、クロマツ植林、人工池がある。前浜は大潮時に1.5~2km沖まで干出する日本でも最大級の砂質の自然干潟。干満差2m、干潟の勾配約1/1000。
■富津干潟:富津岬の北東側に広がる砂質干潟。アマモ、コアマモの藻場があり、東部は潮干狩り場となっている。岬全体が千葉県立公園。クロマツ林の中に遊歩道があり海浜はレジャーが盛んである。
選定理由
A4i | スズガモ・シロチドリ・ミユビシギ・キアシシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(富津岬)、国定公園(南房総国定公園)、自然環境保全地域
保全への脅威
■盤洲干潟
- マリンスポーツ(カイトボーディング)の影響
盤洲干潟の小櫃川河口部(前浜干潟)でのマリンスポーツ(カイトボーディング)により干潟域で採餌、休息するシギ・チドリ類が撹乱されている。同好者の口コミで今後も増えるかもしれない。この場所は盤洲干潟でも水鳥の密度が高いところで、満潮時のシギ・チドリ類の休息場所もある。 - 干潟に隣接してスパ・宿泊施設営業(排水・照明の影響)
- 三角州渚線の後退・干潟の底質変化(潮流変化、河川からの流入土砂)
- ゴミ・アオサの漂着
- 海上、前浜でのカモ猟(陸部は銃猟禁止区域)
■富津干潟
- 海浜レジャー、潮干狩りによるアマモ場撹乱
- ゴミ漂着
保全活動
- 環境管理:
実施者(①富津干潟は国、千葉県、富津市 ②盤洲干潟は千葉県、木更津市)
内容:県による漂着物処理事業、ボランティアによる海岸ごみの定期的掃除 - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会千葉県、盤洲干潟をまもる会)
内容:探鳥会、自然観察会 - 法律制定、政策、規制:実施者(②は千葉県、木更津市)
内容:盤洲干潟をまもる会、日本野鳥の会千葉県、その他自然保護団体が小櫃川河口三角州43haを千葉県自然環境保全地域に指定するよう県に要望。 - モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会千葉県)
内容:シギ・チドリ類(4,8月)、カモ類(1月)のカウント
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