JP015 霧多布湿原・琵琶瀬湾(きりたっぷしつげん・びわせわん)
北海道:浜中町
位置 | N 43°04′ E 145°04′ |
面積 | 9,300ha |
環境構成【潟湖/干潟/淡水性湿地/高層湿原/中間湿原/低層湿原/河川/湖沼/塩性湿地/岩礁】
写真:河内直子
霧多布湿原は北海道東部太平洋岸に点在する湿地群の中で釧路湿原に次ぐ広さを持つ約3,168haの泥炭湿原である。中心部には高層湿原が広がり国の天然記念物に指定されている。また湿原の背後には約4kmの幅で森林が帯状に残され防霧保安林となっている。「花の湿原」と称されワタスゲ、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、ノハナショウブなどが群生する。特別天然記念物タンチョウの営巣地としても知られており隣接する火散布沼(ひちりっぷぬま)藻散布沼(もちりっぷぬま)とともにラムサール条約の登録地となっている。 霧多布湿原は太平洋の浜中湾、琵琶瀬湾に面しており琵琶瀬湾には湯沸島(とうふつしま)、嶮暮帰島(けんぼっきしま)、小島が点在している。湯沸島は橋でつながり人が居住しているが残る二つの島は無人島となっており、海鳥の集団営巣地がある。小島は国内でも珍しいエトピリカの集団営巣地であり、嶮暮帰島はコシジロウミツバメの大規模集団営巣地が確認されている。
選定理由
A1 | タンチョウ・オオワシ |
A3 | タンチョウ・オオワシ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区特別保護地区(厚岸・別寒辺牛・霧多布)、都道府県立自然公園(厚岸道立自然公園)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地、国指定天然記念物霧多布泥炭形成植物群落
保全への脅威
- 500年に一度の津波が、3000年前から周期的に霧多布湿原全域に訪れている。
- 津波対策によって、道の拡幅や避難タワーの建設案などがあり、場合によっては影響が考えられる。
保全活動
- 環境管理:実施者(NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)
内容:民有地の買い取り、湿原の復元
上記団体以外:NPO法人エトピリカ基金:海鳥の啓もう活動や調査活動 - 外来種のコントロール:実施者(浜中町)
内容:オオハンゴンソウの駆除 - 環境教育活動:実施者( NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)
内容:地元小学校~高校生への教育活動を実施
霧多布湿原センターの運営 - 保全のための人材育成活動:実施者(NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)
内容:職員を雇用し人材育成と実践を行っている。ボランティアによる環境保全
活動や人材育成を行っている。 - 法律制定、政策、規制:実施者(文科省、浜中町教育委員会)
内容:霧多布湿原中央部を天然記念物エリアとして指定し、保全を行っている。 - モニタリング調査:
内容:町内の野鳥愛好家などが定期的に観察を行っている。 - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(NPO法人霧多布湿湿原ナショナルトラスト)
内容:ナショナルトラスト保全地を活用したエコツアーの開催を行っている。
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 655KB)