JP014 ユルリ・モユルリ島(ゆるり・もゆるりとう)
北海道:根室市
位置 | N 43°13′ E 145°36′ |
面積 | 200ha |
環境構成【島嶼/草地】
写真:川崎慎二
ユルリ島は馬が放牧されているためササ類が繁茂せず、中央部は高層湿原となり、周縁部は海洋性・高山性の植物が生育し、植物も300種が生育しており、北海道自然環境保全地域にも指定されている。ただし、近年種馬(雄)を入れておらず、放牧馬は減少の一途にある。そのため,ササ類等の植生への変化も著しい。モユルリ島は大型草食獣がいないため、ササに覆われている。両島とも一般人の立ち入りは規制されているが、個体数の減少が危惧されている海鳥の繁殖が確認されているため、周辺環境の保全が必要とされている。繁殖する海鳥類は北方系の代表的な種類で、主な鳥は、エトピリカ、ウトウ、ケイマフリ、ウミネコ、オオセグロカモメなど。
選定理由
A4i | ウトウ・オオセグロカモメ |
A4ii | ウトウ・オオセグロカモメ |
保護指定
サイトの一部(10~49%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区特別保護地区(ユルリ・モユルリ)
<その他>
道指定天然記念物ユルリ・モユルリ島海鳥繁殖地
保全への脅威
- 地球温暖化の影響(エトピリカの南限繁殖地であるため)
- 近接海域での洋上風力発電の計画
- アマチュアカメラマンのチャーター船の繁殖地への接近
- オジロワシによるオオセグロカモメの捕食及び撹乱が観察され、それが主要要因と考えられる繁殖数の激減がみられる。(同じ影響が、ウミネコ等の他の海鳥類に関しても懸念される)
保全活動
- 外来種のコントロール:実施者(環境省釧路自然環境事務所)
内容:ドブネズミの駆除(国指定ユルリ・モユルリ鳥獣保護区保全事業) - モニタリング調査: 内容:モニタリングサイト1000(環境省生物多様性センター:受託者山階鳥類研究所)
エトピリカ保護増殖事業に係るモニタリング(環境省釧路自然環境事務所)
ゼニガタアザラシセンサス(帯広畜産大学ゼニガタアザラシ研究グループ等) - その他:地域住民への保全・研究成果報告会の開催 実施者(環境省釧路自然環境事務所(主催),根室市教育委員会(共催))
内容:「ユルリ島モユルリ島の保全・研究成果報告会」
落石漁業協同組合等の地域住民へのモニタリング活動の成果還元
特にドブネズミ駆除効果を中心に意見交換
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 546KB)
※ユルリ・モユルリ島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら