JP011 野付・尾岱沼(のつけ・おだいとう)
北海道:標津町、別海町
位置 | N 43°35′ E 145°16′ |
面積 | 8,300ha |
環境構成【開放水面/湿生草原/森林/海岸砂浜/干潟ほか】
写真:島田季枝
開放水面(野付湾の総面積)4,800ha、砂泥質の塩性湿地植生、ハマニンニク群落に代表される海岸砂浜植生、海岸砂丘植生、森林、湖沼、干潟、ミズゴケ湿原、泥炭地植生。
野付半島は海流によって運ばれた土砂が浅い海底に堆積して形成された日本最大の砂嘴である。半島の大部分は海岸砂浜草原と塩性湿地から成り、その他森林や淡水湖沼など多様な植生を形成している。
半島に囲まれた浅い野付湾にはアマモなどの水生植物が繁茂し、ガンカモ類、シギ・チドリ類などの水辺の鳥、またシマエビの生育にも大変重要な環境になっている。近年、砂浜の浸食や海岸保全工事、踏みつけに伴う海岸植生の変化や外来植物の侵入が懸念される。
選定理由
A1 | タンチョウ・オオワシ |
A3 | タンチョウ・オオワシ |
A4i | オオハクチョウ・ヒシクイ・コクガン・ヒドリガモ・スズガモ・ホオジロガモ・キョウジョシギ・キアシシギ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(野付半島・野付湾)、都道府県立自然公園(野付・風蓮道立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 地盤沈降に伴う砂浜の浸食による海岸植生の変化(著しい海岸浸食)
- 海岸保全工事のための土砂運搬による植生の変化
- 地盤沈降に伴う通行屋遺跡群の水没化
- エゾシカによる食害(エゾカンゾウ、ガンコウランなど)
- ガンコウランの食害による天然記念物カラフトルリシジミの生息数減少の懸念
- セイヨウオオマルハナバチの侵入による、希少種で在来種のノサップマルハナバチとの置き換わり
- セイヨウタンポポの侵入による、在来種のシコタンタンポポとの交雑
保全活動
- 外来植物の除去(別海町ボランティア協議会)
- ゴミ拾い(野付中学校、標津高校、町内の小学校)
- 定例観察会(野付半島ネイチャークラブ)
- セイヨウオオマルハナバチの監視、駆除(外来生物プロジェクト)
- カウント調査(コクガン、ゴマフアザラシ)(野付半島ネイチャーセンター)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 454KB)