JP008 能取湖・網走湖(のとろこ・あばしりこ)
北海道:網走市、大空町
位置 | N 44°03′ E 144°10′ |
面積 | 16,000ha |
環境構成 【潟湖/湖沼】
写真:渡辺義昭
能取湖はオホーツク海沿岸部に並ぶ7つの海跡湖の一つで、網走市の西に位置している。湖岸延長は約35km。壺状の形をしており、壺の口の部分でオホーツク海とつながっている。卯原内川を筆頭にいくつもの小河川が流入し、それらの河口付近を中心に塩性湿地が広がりアツケシソウが特に多く見られる。 網走湖は網走市と女満別町にまたがる湖で、湖岸延長は約39km。南岸に注ぐ網走川が流入河川としては最大である。湖の東側にはハンノキ、ヤチダモの巨木を中心とした湿性林が広がり、林床にはミズバショウが多い。女満別町側の一帯56haは「女満別湿性植物群落」として国の天然記念物に指定されている。
選定理由
A1 | タンチョウ |
A3 | タンチョウ |
A4i | キアシシギ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(女満別)、国定公園(網走国定公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
国指定天然記念物 女満別湿性植物群落
保全への脅威
- 農畜産業、生活、工場廃水等による水質悪化(網走湖)
- 網走湖において、繁殖しているタンチョウへのカメラマン等による撮影圧・観察圧が懸念される。
- 能取湖において、地元観光協会による不用意な環境改変行為により、シギ・チドリ類が多数利用していたアツケシソウ群落の一部が壊滅的な被害を受け、一時シギ・チドリ類の個体数も減少したが、地元大学等による保全回復策が功を奏し、元の状況に戻りつつあると考えられる。ただし、鳥類に関する詳細な調査はなされていないのが現状。
- 無酸素塩水層の水位上昇(網走湖)
- 観光/レクリエーション利用による踏圧害
- 湿性林の長期的な維持管理の方向性や方法が不明瞭
保全活動
- 環境管理:実施者(網走湖環境保全対策推進協議会(国土交通省北海道開発局)
内容:網走川水系網走川水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンスⅡ)を策定
(H16年6月) - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会オホーツク支部)
内容:探鳥会を開催(能取湖、網走湖、各年1回程度) - モニタリング調査:実施者(環境省)
内容:モニタリングサイト1000事業で能取湖のガンカモ類モニタリングを実施
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 650KB)