JP006 天売島(てうりとう)

北海道:羽幌町

北海道:羽幌町

位置 N 44°25′ E 141°19′
面積 546ha

環境構成【島嶼/崖地】

石郷岡卓哉
写真:石郷岡卓哉

天売島は、羽幌町の沖28kmに位置する周囲12kmあまりの有人島である。島の西側は切り立った断崖になっており、8種類の海鳥が繁殖する。ノガリヤス、オオイタドリ、クマイザサなどの草原、キハダやイタヤカエデなどの樹林で植生が構成されている。対馬暖流の影響で、四季を通じて比較的気候が温暖であるが、風がいつも強く吹き、とくに冬季は季節風が猛烈に吹き荒れることが多い。

選定理由

A4i オオセグロカモメ・ウミネコ
A4ⅱ ウトウ
A4ⅲ ウトウ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(天売島)、国定公園(暑寒別天売焼尻国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物天売島海鳥繁殖地

保全への脅威

  • 魚網による海鳥の混獲
  • 海水温の上昇や海流の変化によるエサ資源の減少
  • 洋上風力発電施設の計画
  • 船舶の繁殖地への接近による繁殖かく乱など
  • ハシブトガラスやオオセグロカモメ、ノラネコ、ドブネズミによる海鳥の卵やヒナの捕食
  • 海洋のプラスチック汚染

保全活動

  • 環境管理:実施者(環境省)
    内容:ウミガラス保護増殖事業(デコイや音声装置の設置による誘引等)
  • 外来種のコントロール:実施者(羽幌町、環境省等)
    内容:ノラネコを島外に出し、新たな飼い主へ譲渡(羽幌町、環境省、獣医師会、愛護団体等により協議会を組織し、実施)
  • 環境教育活動:実施者(羽幌町、環境省)
    内容:北海道海鳥センターでの普及啓発活動(来館者への環境教育、学校教育との連携、観察会や学習会の開催)
  • 法律制定、政策、規制:
    内容:天売島ネコ飼養条例の制定(2012年)により、島内の飼いネコを登録制にする。(羽幌町)
    観光ルールの策定、観察マナーの現地指導など(天売の自然と親しむ会、観光業者など)
    北海道海鳥センター・鳥獣保護区管理棟設置、羽幌自然保護管の配置(環境省)
  • モニタリング調査:実施者(天売海鳥研究室、環境省、北海道海鳥センター友の会)

    内容:ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミウ、ヒメウ(天売海鳥研究室)
    ウトウ(環境省自然環境局生物多様性センター モニタリングサイト1000)
    ウミガラス、ケイマフリ(環境省羽幌自然保護官事務所)
    ウミスズメ(北海道海鳥センター友の会)
    地元の自然に関する調査・啓発(北海道海鳥センター友の会)

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 645KB)
※天売島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら

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