JP004 クッチャロ湖(くっちゃろこ)
北海道:浜頓別町
位置 | N 45°08′ E 142°18′ |
面積 | 2,803ha |
環境構成【湖沼、湿原】
写真:浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館
クッチャロ湖は北海道北部のオホーツク海に面した海跡湖である。周囲27km、平均水深1.5mで、大沼(長径5.5km)と小沼(長径3.0km)の2つによって形成されている。標高が低く約3km離れたオホーツク海の海水が満潮時に川を逆流して流入している。周辺はスゲやミズゴケ、ヨシなどの湿原帯に覆われ、8本の流入河川がある。春と秋に数千羽のコハクチョウや数万羽のカモ類が飛来する。
選定理由
A4i | コハクチョウ |
A4iii | コハクチョウ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(浜頓別クッチャロ湖)、都道府県立自然公園(北オホーツク道立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 農地改良等による堆積物の流入
- 海水の流入による植生等の変化
- 流水域での営農等により、湖へ有機物が流入し、富栄養化が見られる。
- 昭和初期に天然林の伐採が行われていた。
- 平成元年頃までは、湖は冬になると完全に結氷していたが、温暖化により、少しずつ冬に湖が結氷しない面積が広がっている。また、近年、大雨や強風によって、一時的に湖が増水し、流木などの大量の漂着物が流入する事が増えている。
- 湖周辺をはじめ、宗谷管内全域で複数の風力発電の建設計画が進んでいる。
- アライグマ・セイヨウオオマルハナバチの生息が確認されている。アライグマは定期的な駆除を行っているが、個体数の減少には至っていない。マルハナバチについては、駆除は進んでいない。
保全活動
- 環境管理:実施者(環境省・浜頓別町)
内容:定期的な水鳥の飛来状況の把握。情報の提供。国指定鳥獣保護区保全事業
の実施。植樹活動等。水質調査の実施。 - 外来種のコントロール:実施者(浜頓別町)
内容:アライグマの駆除。周辺地域を含めて、町内で年間約20頭程度の駆除を
実施している。 - 環境教育活動:
内容:教育機関と連携した自然観察会等の設置。地域の小中学校、高校と自然観察
会や環境についての学習会を実施(浜頓別町)
清掃活動の管理、環境教育(浜頓別町)
各季節の観察会、(浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館) - 保全のための人材育成活動:実施者(浜頓別町)
内容:ジュニア活動の実施。他のラムサール条約サイトの子ども達の交流会なども
実施。 - 法律制定、政策、規制:実施者(北海道)
内容:「クッチャロ湖湿原保全プラン」を策定。 - モニタリング調査:実施者(浜頓別町)
内容:ガンカモ類飛来シーズンに月3回の調査を実施。定期的な水質調査の実
施。 - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(NPO団体)
内容:NPOクッチャロ湖・エコワーカーズが、カヌー等のエコツアーを実施。 - その他
標識調査(浜頓別町)
植樹、炭素繊維による水質浄化(クッチャロ湖保全対策協議会)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 550KB)