JP127 熊毛八代(くまげやしろ)
山口県:周南市
位置 | N 34°05′ E 131°56′ |
面積 | 1,038ha |
環境構成【水田】
写真:小林繁樹
周南市八代は標高約300mの中国山地に囲まれた盆地で、山すそまで稲田が続き、のどかな田園風景が広がっている。本州で唯一のナベヅルの渡来地であり、鹿児島県出水市とともに国の特別天然記念物に指定されている。盆地の中央、魚切地区にツルの監視所が設けられており、そこから前方の給餌場に集まるナベヅルを観察するのがよい。減少する飛来数に危機感が高まり八代のツル渡来数回復対策事業が開始され、八代鶴保護センターが建設された。またツルの飛来地の魚切地区の電線の地中化も行われた。
選定理由
A1 | ナベヅル |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<その他>
東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地、国指定特別天然記念物八代のツルおよびその渡来地
保全への脅威
- 水田・湿田の放棄、休耕田化
- ねぐらの減少
- 飛来個体群の高齢化及び亜成鳥群の未定着
- 周辺地域において外来種の侵入が報告されるなど、当地域においても監視が必要である。
- 冬期の作付(ムギ等)面積が拡大傾向にあり、餌場の水田環境が失われる。
保全活動
- 環境管理:実施者(周南市、下松市、八代のツルを愛する会、夢現塾、米川環境保全協議会等)
内容:ねぐらおよび餌場環境整備・維持(主体;周南市、共同実施)
*下松市および米川環境保全協議会は下松市内にある、ねぐら(1箇所)の整備を行う。 - 環境教育活動:実施者(八代小学校、八代南土地改良区(ツルの郷を守る会)、ツルの里生き物研究会、NPO法人ナベヅル環境保護協会)
内容: - ツル観察日記の発行(八代小学校)
- 水辺の生き物教室(八代小学校、八代南土地改良区)
- 生きもの調査イベント(ツルの里生き物研究会)
- 観察ガイド(NPO法人ナベヅル環境保護協会)
- ツル保全のための年賀状コンクール(NPO法人ナベヅル環境保護協会)
- 探鳥会(日本野鳥の会山口県支部)
- 八代のツルの生態を知る学習探鳥会(八代のツルを愛する会、ナベヅル環境保護協会、夢現塾、米川環境保護協議会)
- 法律制定、政策、規制:実施者(文化庁、周南市)
内容: - 特別天然記念物指定(文化庁)
- ツル保護対策事業の実施(周南市)
- モニタリング調査:実施者(周南市)
内容: - 渡来羽数
- 行動記録(1時間おきに利用する水田番号を記録)
- ねぐら利用箇所調査
- 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(農事組合法人 ファームつるの里)
内容:エコ米生産および販売 - その他:実施者(山口県、周南市、八代鶴保護センター)
八代のツル渡来数回復対策事業:平成14年度から鶴保護センター建設開始。平成18年には鹿児島県出水市から保護された3羽の幼鳥を受け入れ飼育、馴化後、平成19年に第1回目の放鳥が行われ、以後継続されている。
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