JP122 中海(なかうみ)
鳥取県:米子市、境港市
島根県:松江市、東出雲町、安来市
位置 | N 35°28′ E 133°12′ |
面積 | 10,000ha |
環境構成【潟湖/河口/ヨシ原/水田】
写真:桐原佳介
中海は、日本で5番目の面積の湖で、面積約9,200ha。平均水深6m。北は境水道を介して日本海とつながり、西は大橋川を介して宍道湖とつながっている汽水湖である。日本有数のガンカモ類の越冬地で、毎年約20,000~30,000羽が越冬する。流入河川は飯梨川、大橋川、伯太川、田頼川など。
選定理由
A4i | コハクチョウ・ホシハジロ・スズガモ・キンクロハジロ |
A4iii | カモ類 |
保護指定
サイトの大部分(50~90%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(中海)
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 大橋川の改修工事
- 中海周辺農地の圃場整備等環境改変
- 自然観察施設「米子水鳥公園」の管理者の交代
- 米子水鳥公園内のつばさ池の塩分濃度の上昇(0.1%→2%)により、池の生態系が大きく変化している。特に、主要な水草であるリュウノヒゲモの衰退が著しく、これを主要な巣材に利用しているカイツブリの繁殖に大きな影響が出ている。池の塩分濃度の上昇は、米子水鳥公園がある中海干拓地彦名工区の地盤沈下により、塩分濃度が約2%の中海からの浸透水の影響を大きく受けるようになったことが原因と思われる。
- かなり以前から鳥取県米子市と島根県安来市を結ぶ橋を中海に架ける計画が検討されているが、現在協議は中断したまま。
保全活動
- 環境管理:実施者(NPO法人中海再生プロジェクト ほか)
内容:中海アダプトプラグラムを展開し、周辺地域の企業・団体が中海の湖岸の一定区域の清掃活動を定期的に実施している。また、IBAサイト内の米子水鳥公園は、中海水鳥国際交流基金財団がボランティアの協力を得ながら、園内を水鳥生息地として良好に維持管理している。 - 外来種のコントロール:実施者(公益財団法人中海水鳥国際交流基金財団)
内容:IBAサイト内の米子水鳥公園において、ミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニ、オオキンケイギク等の外来生物の駆除に取り組んでいる。 - 環境教育活動:実施者(公益財団法人中海水鳥国際交流基金財団 ほか)
内容:IBAサイト内の米子水鳥公園を拠点に、一年を通じて湿地の生物をテーマとした自然観察会、工作教室、湿地保全活動の体験プログラム等を実施している。また、NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部が、毎年中海の水鳥観察会を開催している。 - 保全のための人材育成活動:実施者(公益財団法人中海水鳥国際交流基金財団)
内容:IBAサイト内の米子水鳥公園を拠点に、小学生から高校生を対象にラムサール条約登録湿地間の交流事業を展開し、参加した子どもたちは交流を通じて湿地保全の意欲を高めている。 - 法律制定、政策、規制:実施者(環境省)
内容:国指定鳥獣保護区および特別保護地区に指定 - モニタリング調査:実施者(公益財団法人中海水鳥国際交流基金財団 ほか)
内容:IBAサイト内の米子水鳥公園の野鳥を定期的にカウントし、調査結果をデータベース化してモニタリングしている。また、NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部および日本野鳥の会島根県支部が、毎年10月~3月にガンカモ類の一斉調査を定期的に実施している。 - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(NPO法人中海再生プロジェクト)
内容:全国から参加者を募り、中海オープンウォータースイム大会を毎年開催している。 - その他:実施者 (NPO法人自然再生センター)
内容:中海の水質悪化の主要因の一つである、湖底の浚渫窪地を、中国電力(株)の支援・協力を得て、火力発電所の石炭灰を加工したHiビーズ、Hiビーズ・ロック(石炭灰造粒物)を覆砂して埋め戻す事業に取り組んでいる。 - その他
彦名・水鳥ふれあいウォーキング大会
子どもと中海の未来を考える会
米子市環境フェア
中海体験クルージング&中海環境フェア
新春汽水域研究発表会
汽水域懇談会
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 832KB)