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オオジシギ渡りルートの調査
オオジシギの主な繁殖地は北海道、南千島、本州北部、サハリン南部、越冬地はオーストラリア南東部ということが知られています。しかし、どのようなルートで移動していくかはわかっておらず、また、勇払原野が繁殖地や渡りの中継地としてどのように利用されているのかについても詳細はわかっていません。今後、勇払原野の保全の指標とすること、また、オオジシギにとって必要な環境や重要な生息地・中継地を明らかにし、適切な保全を行なうことを目的に、2つの方法でその解明を試みています。
1.衛星追跡
アルゴスシステムを用いて、オオジシギの位置を推定し、渡りを追跡します。アルゴスは観測対象にデータ送信機を付け、衛星を利用して環境に関するデータを収集するシステムで、渡り鳥の追跡の他にも、ウミガメやツキノワグマといった動物の行動調査や、気象や火山活動のデータ収集にも用いられています。
今回用いた送信機は約5gと、現在手に入る中で最も軽いものです。装着に必要なヒモなども含め、体重の4%以下になるように、体重155g以上の個体のみに装着しました。また、渡りの経験がある成鳥に限って2016年7月、勇払原野で5羽のオオジシギに送信機を付けました。
2.カラーフラッグ・標識
カラーフラッグは、鳥の足に目印として付けるプラスティック製の小さな旗です。その色と位置によって、そのフラッグがどこで付けられたかがわかるようになっています。渡り鳥であるシギやチドリで行なわれる方法で、フラッグの付いた鳥の目撃情報を集めることで渡りルートの研究に役立てられています。
また、標識とは、金属性の足環で、日本では環境省が発行する記号と番号が刻まれており、いつどこで誰がその足環を付けたかがわかります。その鳥が再捕獲されるか死体などで回収されないと、刻印がわからないのがフラッグと異なる点ですが、最近は光学機器の進化により、撮られた画像から刻印が判読できることも増えてきました。
今回の調査では17日間で合計108羽のオオジシギを捕獲し、そのうち102羽にこのフラッグと標識を付けました。勇払原野で捕獲したものは、右足のふしょ(後ろに曲がった関節の下の部分)に青フラッグ2枚、左足のふしょに環境省標識(金属足環)が付いています。
<オオジシギの目撃情報収集にご協力ください>
フラッグ付きのオオジシギを観察したら、わかる範囲で下記の情報をお知らせください。
- 観察者のお名前:
- 観察者のご連絡先(住所・電話番号・FAX番号・メールアドレスなど):
- 観察日時:
- 観察場所(都道府県・市町村・地名):
- 観察場所の緯度・経度(分かれば):
- フラッグ・金属足環の情報:
右足:関節の上(なし)、関節の下(フラッグの番号___、または無地)
左足:関節の上(なし)、関節の下(金属足環 有・無)
(フラッグの刻印:0M~9M、0N~9N、0L~9L、0P~9P、無地) - 写真:ある→写真の提供(可・否)、写真なし
- 特記事項(その場所で見られたシギ・チドリ類各種の個体数など)
連絡先
日本野鳥の会保全PJ推進室(電話:03-5436-2634、メールアドレス:[email protected])