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世界一斉個体数調査(2020年)
2020年10月7日
2020年クロツラヘラサギ世界一斉個体数調査の結果
日本クロツラヘラサギネットワーク・日本野鳥の会
東南アジアの各国が協力して毎年1月に実施している「クロツラヘラサギの世界一斉センサス」(主催:香港バードウォッチング協会)の2020年の結果がまとまりましたのでお知らせ致します。
この調査は、絶滅が危惧されているクロツラヘラサギの越冬個体数と分布を知るために日本、韓国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、フィリピンなど東南アジアの自然保護団体が参加し、毎年実施しているものです。
日本でも九州や沖縄などの越冬地で、「日本クロツラヘラサギネットワーク」や日本野鳥の会の支部の会員が調査を行っています。2020年の国内での調査は1月17日~19日に、1都9県62か所、70名を超える協力者を得て行われました。
1.2020年クロツラヘラサギ世界一斉個体数調査結果の概要
2020年のクロツラヘラサギの世界一斉センサスは1月17日~19日にかけて行なわれました。調査結果は各国からの報告に基づき、香港バードウォッチング協会(HKBWS)が取りまとめを行なっています。
2020年の調査では、前年より401羽(9.0%増)増えて4,864羽が確認されました。
主要な越冬地は台湾で、2,785羽が観察され(15.7%増)、世界全体の約57%を占めます。増加した地域は韓国で14羽(60.9%増)、中国本土で44羽(4.4%増)。日本では6羽が増え544羽が観察されました(1.1%増)。減少傾向が、后海湾、マカオで見られています。
表1. 地域別のクロツラヘラサギの記録数
場所 | 2018年調査 | 2019年調査 | 2020年調査 | 前年比 (2020年-2019年. 羽数) |
前年比 (2020年/2019年. %) |
台湾 | 2,195 | 2,407 | 2,785 | 378 | +15.7 |
后海湾(香港、深セン) | 350 | 383 | 361 | –22 | –5.7 |
中国本土 | 744 | 990 | 1034 | 44 | +4.4 |
日本 | 508 | 538 | 544 | 6 | +1.1 |
ベトナム | 65 | 65 | 60 | –5 | –7.7 |
マカオ | 50 | 53 | 40 | –13 | –24.5 |
韓国 | 26 | 23 | 37 | 14 | +60.9 |
タイ | 0 | 1 | 0 | –1 | –100 |
カンボジア | 0 | 0 | 0 | 0 | – |
フィリピン | 3 | 3 | 3 | 0 | ±0 |
合計 | 3,941 | 4,463 | 4,864 | 401 | +9.0 |
(HKBWSの集計に基づく)
2.日本におけるクロツラヘラサギ一斉個体数調査の結果
日本クロツラヘラサギネットワーク・日本野鳥の会
2020年、日本国内では、前年より6羽多く、計544羽が確認されました(1.1%増)。熊本県が最も多く226羽が観察され、次いで、福岡県89羽、佐賀県78羽、鹿児島県69羽、山口県31羽等となっています。
図1. 日本におけるクロツラヘラサギの記録数の推移
図2. クロツラヘラサギの記録個体数の県別の推移
表2. 県別に見たクロツラヘラサギの記録数の推移