クロツラヘラサギ調査研究プロジェクト
クロツラヘラサギは東アジアにのみ生息する世界的な絶滅危惧種で、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧種(Endangered)、環境省のレッドデータブックでは絶滅 危惧ⅠB類に指定されています。
当会では1995年頃から、バードライフインターナショナルのアジアのパートナー団体と共同で、クロツラヘラサギの国際的な保全を図るための調査研究プロジェクトをたちあげ、中心的な役割を担いつつ活動を行ってきました。また、日本のクロツラヘラサギネットワークに協力して、クロツラヘラサギ世界一斉調査やカラーリング装着個体の情報収集を行なっています。
- 世界一斉個体数調査(2024年)
- 世界一斉個体数調査(2023年)
- 世界一斉個体数調査(2022年)
- 世界一斉個体数調査(2021年)
- 世界一斉個体数調査(2020年)
- 世界一斉個体数調査(2019年)
- 世界一斉個体数調査(2018年)
- 世界一斉個体数調査(2017年)
- 世界一斉個体数調査(2016年)
- 世界一斉個体数調査(2015年)
- 世界一斉個体数調査(2014年)
- 世界一斉個体数調査(2013年)
- 世界一斉個体数調査(2012年)
- 世界一斉個体数調査(2011年)
- 渡り経路の衛星追跡調査
- カラーリングによる個体の移動追跡
- 普及啓発とアンケート調査による繁殖分布調査
- 論文集の発行
- その他の情報収集
- 保全に向けた課題
- 参考文献
和名:クロツラヘラサギ
英名:Black-faced Spoonbill
学名:Platalea minor
全長約75cm、体重1,500g~2,200gのコウノトリ目トキ科の野鳥。
干潟などでヘラ状のくちばしを左右に振りながら採食する。主な餌生物は魚類(ボラ・ハゼ・シラウオ・等)や甲殻類(カニ・エビ・アミ・等)、剣尾類(カブトガニの幼生~亜成体)などである。
4月中旬~7月中旬までが繁殖期で、その後繁殖地の近くの干潟で過ごした後10月下旬頃から越冬地への渡りを開始する。そして3月下旬ごろまで越冬地で過ごした後、4月初旬頃から繁殖地への渡りを開始する。若齢個体の中には繁殖地まで戻らない個体もあり、越冬地の近くまたは中継地で夏を越す個体もある。
朝鮮半島の西岸の38度線以北の離島や、中国遼東半島沿岸の離島で繁殖し (Chong & Pak 1999)、全世界の個体数は保全活動により増加しており約4,900羽である(HKBWS 2020)。
主な越冬地は台湾、香港、ベトナム、中国南部、日本などで、日本では主に九州以南で越冬し、近年は毎年約500羽が越冬している。
写真:宮城国太郎氏
参考文献
Chong, J. & Pak, U. 1999. The breeding sites and distribution of Black-faced Spoonbills in the Democratic People’s Republic of Korea (DPRK). Conservation and research of Black-faced Spoonbills and their habitats. pp.5-9. Wild Bird Society of Japan (WBSJ).