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カラスQ&A
都市地域では、カラスによる生活被害 (ゴミを散らかす・うるさい・襲われる)が起きています。
東京の都心部では、 特にハシブトガラスが増加し、人との共存生活においてさまざまな問題が生じています。
ここでは、よくある質問をもとにQ&A方式でカラスに関するあらゆることを解説していきます。
カラスとの付き合い方Q&A
- Q01:ケガをしているカラスやヒナを拾った。どうしたらいいの?
- Q02:近所でカラスに餌をやる人がいて困ります。どうしたらいいの?
- Q03:カラスが小鳥を襲っている。どうしたらいいの?
- Q04:カラスが集団で集まっていてこわい
- Q05:東京のカラスは増えているの?
- Q06:カラスの捕獲や巣の撤去はどうする?
Q01:ケガをしているカラスやヒナを拾った。どうしたらいいの?
野生動物には人ができるだけ手を出さないのが原則です。もし手を出すとしたら、ケガをしている場合には、各都道府県の鳥獣保護関係の部署に連絡をし、指示に従って下さい。
各都道府県の野生鳥獣担当機関の連絡先リスト
※ただし、自治体によってはカラスの保護を実施していない自治体もあります。
ヒナを拾った場合には、ネコなどの捕食を防ぐために高いところに置きその場を離れて下さい。巣立ち直後のヒナはうまく飛べず地面にいることがありますが、ケガをしているわけではなく、人が離れていると親鳥が餌を運んできます。
Q02:近所でカラスに餌をやる人がいて困ります。どうしたらいいの?
カラスへの給餌は避けるべきです。お住いの地域の自治体や土地管理者(住民相談窓口や公園課など)に相談し、餌をやる人に、餌やりの問題点について理解していただけるよう働きかけてもらって下さい。
人とカラスの間には一定の距離を保つことが大切です。カラスは給餌をすると、人が食べ物をくれるものと思い、人を恐れなくなり、追い払いをしても逃げなくなります。また、人が餌を与えることによってカラスがその場所に集まり、他の生きものを捕食するなど影響をおよぼします。
自治体担当者のためのカラス対策マニュアル(環境省ホームページ)
Q03:カラスが小鳥を襲っている。どうしたらいいの?
カラスが、子育てをするスズメ、ツバメ、ヒヨドリなどの巣を襲い、卵やヒナを食べたり、小鳥のヒナを持ち去り、自分のヒナに与えることがあります。
カラスも生態系を構成する一員で、生活するために、「食う、食われる」といった食物連鎖に組み込まれています。大きな動物が小さな動物を捕まえて食べることは、自然界の「おきて」ですので、かわいそうだと感じても、ぐっとこらえて手を出さないのが原則です。
Q04:カラスが集団で集まっていてこわい
カラスは、群れて餌を食べたり、非繁殖期に群れてねぐらを取る習性があります。しかし、人を襲うために集まることはありません。
ねぐら入りの際には、数百羽もの群れになることがあり、空に舞う姿を恐ろしく感じることがあるかもしれません。カラスは群れることで捕食者を発見したり、警戒や防衛をしやすくなります。また、1羽あたりが捕食されるリスクも減ります。
Q05:東京のカラスは増えているの?
東京都の都心部(23区)のカラスは以前に比べて減っています。
日本野鳥の会が都の委託を受けて実施した調査によると、1970年代は、低地に少なく台地や丘陵地に多かったハシブトガラスの繁殖地は、1990年代になると分布が広がり、東京都全域で見られるようになりました。2001年12月~2002年3月に実施したねぐら調査では約3万7千羽と推定されています。
しかし、その後の都によるカラス対策により、都心のカラスの生息数は、2001年には36,416羽になり、約20年後の2021年には13,058羽と約65%、2023年には8,328羽と約78%減少したことが報告されています。
出典:「生息数等の推移(取組状況)」(東京都環境局ウェブサイト)2024年10月7日閲覧
Q06:カラスの捕獲や巣の撤去はどうする?
巣の撤去は営巣場所の土地管理者が行いますので、まずは土地管理者にご相談下さい。
ご自身の土地にある巣の場合、産卵前の巣は撤去できますが、産卵後の卵の採取やヒナの捕獲には許可をうけるための手続きが必要になります。カラスを含む野生鳥獣は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(=「鳥獣保護管理法」)により、原則として捕獲(卵の採取を含む)が禁止されていますので、捕獲等を行う際には当該地域の自治体にご相談下さい。
あなたの住む町のカラスの状況や、ごみ被害の対策はどうなっているでしょうか。改めてカラスの生活と私たちのくらしとの関わりに目を向けて、カラスとの付き合い方を考えてみてはいかがでしょうか。