呉羽山(富山県富山市)

推薦:日本野鳥の会 富山

富山駅から車で10分の場所にある呉羽山(くれはやま)。展望台からは富山市街が間近に見下ろせ、晴れた日にはその向こうに、“立山をあおぐ特等席”として、雄大な立山連峰を見ることができます。また、周辺には古墳や城址などの史跡に加えて、「民俗民芸村」や「五百羅漢」、「富山ガラス工房」、「富山市ファミリーパーク(動物園)」など、見どころがたくさんあります。

富山平野の中央部に突き出たこの丘陵地帯には雑木林が多く、渡り途中の野鳥が羽を休める格好の場所となっています。春の渡りの季節には、オオルリやキビタキ、コマドリなどの夏鳥のさえずりがにぎやかに聞こえてきます。また、秋の渡りの季節には、カラスザンショウの実をついばむムギマキの姿を見ることもできます。

日本野鳥の会富山では毎月1回、ここで定例探鳥会を開催しています。安養坊(あんようぼう)にある「八幡社」に集合して、雑木林の中の遊歩道を歩きながら鳥を観察しています。探鳥会では年間を通して50~60種の野鳥を見ることができ、ビギナーにとっては、バードウオッチングの基本をおぼえる格好の機会となっています。

一方、8月の探鳥会は「クリーンアップ探鳥会」と称して、野鳥を探しながらごみを拾う活動も行なっています。春先には丘陵地のどこかからフクロウの声が聞かれ、富山市街の身近にある自然豊かな探鳥地として、将来に引き継ぎたいと考え、紹介します。

所在地

富山県富山市安養坊

環境

森林

ベストシーズン

1月、2月、4月、5月、10月、11月、12月

見られる鳥

ムギマキ
ムギマキ
トラツグミ
トラツグミ

4月中旬から5月にかけて、オオルリやキビタキ、コマドリ、クロツグミなどの代表的な夏鳥が見られます。暗い林の中には、ヤマシギやミゾゴイがいることも。

渡り途中のコサメビタキやエゾビタキの他にも、ムギマキが見られます。カラスザンショウが実をつける頃が観察のチャンスです。

木の葉が落ちて、カラ類の混群やキツツキの仲間がとても観察しやすいです。上を見上げると、オオタカやハイタカ、ミサゴが悠々と飛んでいるし、積雪具合では、山から下りてきたトラツグミを見ることができます。

近隣情報

ビューポイントから見た「富山市街と立山連峰」
ビューポイントから見た「富山市街と立山連峰」
冬の「呉羽山公園都市緑化植物園」
冬の「呉羽山公園都市緑化植物園」

呉羽山は富山県を東西に二分する丘陵です。昔から西側を呉西(ごせい)、東側を呉東(ごとう)と呼んでおり、富山の歴史や文化の境となってきました。尾根に沿って自然歩道「フットパス」が設けられ、ビューポイントからの眺望は格別です。2023年には「呉羽丘陵フットパス連絡橋」が完成し、今後、周辺の園路や広場についても整備される予定です。 観察ポイントとしては、図書館の北側にある、「呉羽山公園都市緑化植物園」も見逃せません。公園内の池にはカワセミが見られ、コガモに混じってシマアジがいることもあります。

注意事項

映画のロケ地にもなった、「五百羅漢」の辺りがいちばんのおすすめです。「五百羅漢」は、階段がとても急で、木の根っこがあちこちで張り出しています。鳥を見るのに夢中になって転ばないよう、足下に十分注意してください。

日本野鳥の会 富山については、以下をご覧ください。