諏訪湖(長野県諏訪市・岡谷市・諏訪郡)

推薦:日本野鳥の会 諏訪支部

諏訪湖(すわこ)は、八ヶ岳山麓から白樺高原、霧ヶ峰高原に囲まれ、さらにその周囲は3,000mを超す 北・中央・南アルプスが取り囲む環境の中に広がる湖です。水面標高は759m、周囲 16kmの湖は太平洋からも日本海からも100km以上離れた、文字通り山国の水辺です。諏訪市、岡谷市、下諏訪町の市街地に取り囲まれており、周囲は遊歩道とサイクリングロードが整備されていて、日々散歩やジョギングで利用される地域の憩いの場所、そして観光の中心地ともなっていています。

年間を通じて、水鳥を中心に100種類以上の野鳥たちが生息し、旅途中の立ち寄りがあり、広い湖周のどこで探鳥をするのかは悩むところです。例えば岡谷市の横河川(よこかわがわ)河口周辺は、冬のコハクチョウや多くのカモ類の飛来地というポイントでもありますが、湖のどこで何が見られるというよりは、のんびりと散策しながらその時々に水辺や湖面にいるさまざまな鳥たちを探していくというスタイルをおすすめします。

諏訪支部としては、この諏訪湖に対し「銃声のない諏訪湖をめざして」の禁猟アピールを1992年に発信、自治体や各種団体とともに働きかけを行ない、1995年に県は「諏訪湖銃猟禁止区域の設定の一部改正」を行ない、銃声が消えた諏訪湖を実現することができました。また水辺の鳥たちの繁殖、採食、休息環境を守るために、水草や湖畔樹木を残す、流入河川環境維持、浅瀬の保存など行政との調整、要望提出なども行なっています。

所在地

長野県諏訪市・岡谷市・下諏訪町

環境

ベストシーズン

1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

見られる鳥

コハクチョウ
コハクチョウ
カワアイサ
カワアイサ

越冬していたカモ類がじょじょに減っていきますが、渡り途中の海カモ類やシギ・チドリ類が見られ、また高原をめざして渡って来たノビタキやホオアカ、コムクドリなども数多く立ち寄ります。

ササゴイやヨシゴイが飛来し、子育てを始めます。そのほかめだつのはオオバンの子育てです。

シギ・チドリ類の渡り、トウネン、キアシシギなどはほぼ毎年、アカエリヒレアシシギは時に数十羽が水面に浮かび、他30種超が不定期ですが記録されています。また100羽を超えるオオミズナギドリやクロハラアジサシ、さらにはオニアジサシやマミジロアジサシ、トウゾクカモメなどの記録もこの時期にあります。

コハクチョウや数百羽のカワアイサ越冬が見られるほか、オオワシ、オジロワシが見られることも。

近隣情報

ノビタキ
ノビタキ

諏訪盆地を取り囲む高原地帯、とりわけ霧ケ峰高原が有名ですが、ここは4月から8月までノビタキ、ホオアカを主に、ビンズイ、アオジ、オオジシギ、カッコウなどが多く生息しています。また6月から7月には草原を赤く染めるレンゲツツジ、7月のニッコウキスゲやコバイケイソウが咲き誇り、8月のシシウドの白い花、また近年数を減らしているヤナギランの赤い花に止まる鳥たちの姿は、高原ならではの光景です。

注意事項

湖周辺には散策時用や公園の駐車場が比較的多くあります。市街地に取り囲まれた湖で 湖周は車通りも多いので自家用車で訪れる際は、路上駐車をしないようにして下さい。またトイレ施設等も充実しています。

日本野鳥の会 諏訪支部については、以下をご覧ください。