一ツ瀬川河口(宮崎県児湯郡)

推薦:日本野鳥の会 宮崎県支部

一ツ瀬川河口

一ツ瀬川(ひとつせがわ)河口は、左岸側の児湯(こゆ)郡新富町、右岸側の宮崎市佐土原町の境界域です。河口域の中洲は中央部に畑が広がり、周りを疎林がとり囲んでいて、渡りの時期には多くの鳥たちが重要な休憩地として羽を休めます。中洲の下流には干潮時に干潟が現れ、シギ・チドリ類をはじめとした多くの水鳥が訪れ、冬場にはクロツラヘラサギも十数羽の群れで羽を休めます。

川幅は広く、岸からの眺望をさえぎるものはありません。ここでは豪快にダイビングして狩りをするミサゴやカンムリカイツブリ、群れで飛び回るカモ類などを見ることができます。

右岸の河口近くの二ツ立には水門が設置されており、水田地帯から流れ込む水路の調整池があります。ここには北・西・南から観察できるスポットがあります。池にはヨシ原の中洲があり、特に冬場にはたくさんのカモ類を近くから観察することができます。また、そのヨシ原の上にチュウヒ、ハイイロチュウヒ、オオタカ、ハヤブサなどの猛禽類が現れると、いっせいにカモの群れが飛び上がる光景が見られます。ヨシ原の中ではツリスガラやオオジュリン、アオジ、ホオジロなどの小鳥も見られ、野鳥観察の穴場になっています。
夏の海岸の砂地では、コアジサシが集団で繁殖する風景や、シロチドリの繁殖も見ることができます。

所在地

宮崎県児湯郡新富町及び宮崎市佐土原町

環境

干潟、川/河原、池、田んぼ/農耕地

ベストシーズン

1月、2月、3月、4月、5月、9月、10月、11月、12月

見られる鳥

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ
カモの群れ
カモの群れ
春・夏

コアジサシ・ダイシャクシギ・シロチドリ等が見られます。

秋・冬

マガモ・カルガモ・ヒドリガモ・コガモ・オナガガモ・ハシビロガモ・ホシハジロ・ツクシガモ・キンクロハジロ・スズガモ・ミコアイサ等のカモ類、オオタカ・チュウヒ・ハイイロチュウヒ・ハヤブサ・チョウゲンボウ・ノスリ等の猛禽類のほか、カイツブリ・カンムリカイツブリ・ハジロカイツブリ・ヘラサギ・クロツラヘラサギ・タゲリ・カワウ・セグロカモメ等が見られます。

通年

ミサゴ・トビ等の猛禽類、アオサギ・ダイサギ・コサギなどのサギ類、ヒバリ・キジバト・セッカ等が見られます。

近隣情報

加江田渓谷
加江田渓谷。昔のトロッコ線路が渓谷沿いの遊歩道になっています
初夏の加江田渓谷
初夏の加江田渓谷は水量も多く、夏鳥のさえずりが響き渡ります

加江田(かえだ)渓谷は宮崎自然休養林の一部にもなっており、宮崎市の南にある双石山(ぼろいしやま)の東麓に位置します。丸野駐車場から加江田川沿いに約8kmの遊歩道があり、周りはシイ・カシ・タブなどの照葉樹林に囲まれています。春・夏は遊歩道入口からホオジロやウグイスがさえずり、渓谷に入るとミソサザイ、アカショウビン、オオルリ、サンコウチョウなど代表的な夏鳥の声が、心地よく谷間に響き渡ります。川ではカワセミ、カワガラス、キセキレイが、上流へ下流へとせわしなく移動していきます。秋・冬にはヤマガラ、エナガ、メジロなどの混群が群れ、山の上にはクマタカが現れることもあります。

注意事項

探鳥地近くまでの公共交通機関がありませんので、車で行くことになりますが、堤防道路や調整池の周りの道路脇の駐車は通行の妨げになります。堤防道路を海岸まで行ったところに十分な駐車スペースがあるので、そこを利用してください。