青葉山公園(宮城県仙台市)

推薦:日本野鳥の会 宮城県支部

ご紹介したい探鳥地は、仙台市中心部を流れる広瀬川(大橋付近)と、隣接する青葉山公園です。ここは、仙台市の中心部に位置し、約90種の野鳥が観察されています。

広瀬川に架かる大橋には川面をゆっくり観察できるデッキが設けられ、カワセミやカモ類といった水辺の鳥をはじめ、草原の鳥、猛禽類などを観察することができます。冬には、オオハクチョウやマガンが列をなして頭上を飛ぶこともあります。

青葉山公園は、大橋の西側にある杜の都仙台を代表する都市公園です。伊達政宗が1600年に築城を開始した仙台城(青葉城)と、その周辺エリアからなります。園内には、土塁や堀、藩士の居住地跡や酒屋敷跡、森を巡る散策路、背後には青葉山の針葉樹と広葉樹の混合林、隣接する崖や渓谷といった、多様な環境があり、カラ類などの森林や草原の小鳥、この地で繁殖しているハヤブサに代表される猛禽類、水辺の鳥、時には稀な旅鳥といったさまざまな野鳥を観察することできます。

この地では、島野武仙台市長(1962年当時)の「健康都市宣言」に関連して、1968年5月に第1回仙台市民探鳥会を、仙台市健康都市建設推進協議会と宮城県支部の共催で実施し、2004年3月までの36年間にわたって年4回の探鳥会を実施しました。また、1995年9月からは、宮城県支部の主催で、原則として毎月第一日曜日に探鳥会を実施し、県内外の多くの方に「探鳥」の楽しみを味わっていただいております。宮城県支部創設以来、最も多くの探鳥会を開催し、多くの方々に愛され続けているこの地をぜひ訪れてみてください。

所在地

宮城県仙台市青葉区川内

環境

川/河原、池、森林、草地

ベストシーズン

1月、2月、3月、4月、5月、6月、10月、11月、12月

見られる鳥

ハヤブサ
ハヤブサ
カワセミ
カワセミ
通年

カワセミ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、カワラヒワ、メジロ、コゲラ、アオゲラ、アカゲラ、カルガモ、カイツブリ、カワセミ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、ウグイス、ハヤブサ、オオタカ、モズなど

春から夏

キビタキ、オオルリ、コサメビタキ、センダイムシクイ、ヤブサメ、サンコウチョウ、ホトトギス、コムクドリ、ツバメ、イワツバメ、コチドリなど

秋から冬

ルリビタキ、ジョウビタキ、マヒワ、ヒレンジャク、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、カシラダカ、ツグミ、シロハラ、カモ類など

近隣情報

日和山から蒲生干潟の潟湖を臨む
日和山から蒲生干潟の潟湖を臨む
日の出と共に河口に水を飲みにきたコクガン
日の出と共に河口に水を飲みにきたコクガン

蒲生(がもう)干潟は、1972年に環境省鳥類観測2級ステーションに設定された、主にシギ・チドリ類の渡りの重要な中継地です。2011年の東日本大震災の大津波により、一時は干潟がほぼ消失しましたが、海流によってほどなく浜堤(ひんてい)が出現し、干潟は再形成されました。しかしながら、流出と再形成の過程で砂質化したことから、シギ・チドリ類の食物となる底生生物の生息環境が悪化するなどして、干潟環境は未だ回復には至っていない状況です。

宮城県支部は、このような環境の変化に伴う鳥類、特にシギ・チドリ類やコクガンの飛来状況に関する調査が必要と考え、2013年8月から月次モニタリング調査を開始し、昨年度は87種(うちシギ・チドリ類18種)を確認しました。また、2020年10月からは蒲生クリーンアップ(ゴミ拾い)探鳥会を毎年開催し、環境保護意識の向上に努めています。

注意事項

  • 祝祭日やイベント開催時は、早朝の探鳥をおすすめします。
  • 冬季は凍結や積雪のおそれがあります。防寒服、滑りにくい靴を着用してください。

日本野鳥の会 宮城県支部については、以下をご覧ください。