富士川河口(静岡県静岡市・富士市)

推薦:日本野鳥の会 南富士支部

富士川河口探鳥風景

富士川は、3,000m級の南アルプスを源流とする日本三大急流の一つであり、河口域まで速い水流が保たれるために、上流からの土砂が堆積して川幅2km以上の日本一広い河口部が形成されています。また台風などの影響で毎年のように河口部の中州や砂洲の形状が大きく変化しますが、干潟は発達しません。富士川が流入する駿河湾は、富士山からの湧き水や深さ3,000mの深海といった特異な海洋環境のために魚類や海洋生物が豊富で、それらをエサとする鳥類や、また猛禽類も多く生息しています。

富士川はかつて鮎釣りも盛んでしたが、上流の富士川水系雨畑(あめはた)川(山梨県早川町)で、2010 年頃から不法に埋設投棄された凝集剤入り汚泥が、近年の大型台風の影響で中下流域に流出し、長期的な環境悪化を招いていると思われます。今では鮎の友釣りをする人の姿はほとんど見られなくなりました。それでも、毎年多くの渡り鳥が羽を休める姿を見ることができる、貴重な場所であることは変わっていません。

所在地

静岡県静岡市清水区蒲原、静岡県富士市五貫島

環境

海、川/河原、草地

ベストシーズン

1月、2月、3月、4月、5月、6月、9月、10月、11月、12月

見られる鳥

春から初夏

北へ帰る前のカンムリカイツブリが、夏羽に衣替えした姿を見せてくれます。旅鳥のシギ・チドリ類も美しい夏羽の姿を見せてくれます。

シギ・チドリ類が旅の途中に立ち寄る姿が見られます。ツバメやノビタキなどの夏鳥も、南へ渡るために通過していきます。

多くのカモ類が飛来します。ミサゴの豪快なダイブと、大きな魚を抱えて飛ぶ姿もよく見られます。

近隣情報

南富士支部の活動エリアには、海抜ゼロメートルの富士川河口から富士山の高山域まで、日本一の標高差を誇る多くの探鳥地があります。

日本野鳥の会 南富士支部については、以下をご覧ください。