釧路市春採湖(釧路市春湖台)

推薦:日本野鳥の会 釧路支部

春採湖

春採湖(はるとりこ)は、釧路市街地東部、海岸から近い場所にある海跡湖で、河川水が流れ込む汽水湖でもあります。国の天然記念物ヒブナの生息地で周囲4.7km、面積36万㎡。春採公園や周遊散策路が整備された市民の憩いの場所であり、湖畔の湿地や林、草地といった環境もあるため、市街地に近いにもかかわらず多くの鳥が観察できる場所です。また、近郊には「釧路湿原国立公園」やタンチョウの給餌場がある鶴居村があり、年間を通していろいろな鳥を観察することができます。

春採湖は12月から3月までは氷に覆われるため、4月から11月までが野鳥の観察に適した時期です。
近年は、エナガの亜種シマエナガが見られることで話題にもなっています。これまでに160種ほどの留鳥、夏鳥、冬鳥、旅鳥が観察されており、アオジ、コヨシキリ、オオジュリン、ノビタキ、センダイムシクイ、エゾセンニュウ、ノゴマ、コムクドリ、カイツブリ等が夏鳥として繁殖、子育てをしています。海が近いこともあり、オオセグロカモメ、ウミネコが水浴びする姿も観察できます。

シジュウカラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ等が周年見られ、冬になると釧路湿原で繁殖するオジロワシや越冬のために来たオオワシが上空を舞い、アトリ、ベニヒワ、ヒレンジャク、キレンジャク等が集団で南への渡りの途中に立ち寄ったりします。
11月の結氷前には、オオハクチョウが気まぐれに泳いでいたり、カワアイサの集団採餌行動が観察されたりします。

日本野鳥の会釧路支部では発足時から、春採湖探鳥会を行なってきました。昭和58年に、「釧路市立博物館」が春採湖のある春湖台に移転してからは、4月から11月までの毎月第3日曜日に、博物館と共催で「春採湖定例探鳥会」として開催しています。

6月と9月は、午前8時から午前11時までの3時間をかけて、湖畔周遊路をぐるっと一周し、その他の月は、午前8時から午前10時までの2時間で湖畔を半周して、25種ほどの野鳥を観察できます。
市街地に近い場所で多くの鳥が見られ、気軽に鳥とふれあえる場所として紹介いたします。

所在地

北海道釧路市春湖台1-38

環境

湖、湿地、草地、林地

ベストシーズン

4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月

見られる鳥

コムクドリ
コムクドリ
シマエナガ
シマエナガ
春~夏

遅い春が来て、3月下旬の湖の解氷に合わせ、ヒドリガモ、カワアイサなどの水鳥が、北帰行の途中に立ち寄る。4月中旬頃よりアオジ、ノビタキ、ウグイス、クロツグミなどが来て、シジュウカラ、シマエナガなどとさえずり始め、エゾセンニュウの声を聴き、夏鳥たちの到来となる。

コヨシキリ、ノゴマ、アオジ、オオジュリンなどの小鳥類、マガモ、オオバンなどの水鳥が、南への渡りを始める。

湖が凍り、静けさが訪れるが、シジュウカラ、ハシブトガラ、シマエナガなどの混群が見られたりする。

近隣情報


春採湖より車で1時間圏内には、特別天然記念物のタンチョウが観察できる鶴居村や、ラムサール条約湿地の「釧路湿原国立公園」があります。鶴居村へ行く途中には、「温根内(おんねない)ビジターセンター」があり、レンジャーが常駐しています。

注意事項

  • 蚊が多いため、カさされない服装や虫除けスプレーをご用意ください。
  • 道のアップダウンがあるので、歩きやすい靴がおすすめです。