涸沼(茨城県東茨城郡)

推薦:日本野鳥の会 茨城県支部

周囲22kmの汽水湖の涸沼(ひぬま)は、2015(平成27)年にスズガモ、オオセッカ、オオワシの生息・越冬地としてラムサール条約湿地に登録されました。

涸沼では、日本野鳥の会茨城県の設立当初から、湖面や周辺の湿地・水田・ヨシ原などでカモ類やシギ・チドリ類、草原の野鳥などの観察を楽しんできました。現在でも、冬季の探鳥会では1日で約60種類近くを観察でき、県内で一番野鳥が多い場所となっています。

広大な水面、隣接する堤防外側の湿地、周辺の田畑などでは珍しい野鳥も観察でき、これまでレンカク、近年ではカオグロアメリカムシクイなどが記録されています。
ラムサール条約湿地になったことにより、環境省により茨城町で「水鳥湿地センター」、鉾田(ほこた)市で「野鳥観察施設みのわ水鳥公園」の設置が進められています。現在当会では涸沼での定例探鳥会開催、そして電車で参加できる探鳥会の開催、ツバメやチュウヒのねぐらとなるヨシ原の保全などを進めており、ますます野鳥の生息地・観察地として重要であると考えています。

所在地

茨城県東茨城郡茨城町・大洗町、鉾田市

環境

湖、田んぼ/農耕地、草地

ベストシーズン

1月、2月、5月、8月、9月、12月

見られる鳥

ツバメのねぐら入り
ツバメのねぐら入り
チュウヒ
チュウヒ
通年

イソシギ、ハヤブサ、ミサゴ、ヒバリ、ホオジロ、カワセミ、サギ類

水の入った水田などでコチドリ、チュウシャクシギ ムナグロ、キアシシギなど

ヨシ原でヨシゴイ、ツバメのねぐら入りなど

水の残っている水田で、トウネン、タカブシギなどのシギ・チドリ類

湖面にはハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、スズガモなど。ヨシ原ではチュウヒのねぐら入り、水田ではハクチョウ類

近隣情報

ひたちなか市平磯海岸
ひたちなか市平磯海岸

  • 涸沼から約15km離れたひたちなか市平磯海岸では、冬から春にかけて、岩礁や海上にチュウシャクシギやキョウジョシギ、ウミウ、カモメ類を見ることができます。
  • 約20km離れたところには、「国営ひたち海浜国立公園」があり、園内で野鳥観察ができるほか、海岸の砂浜ではコアジサシが繁殖しています。
  • 涸沼には「親沢(おやざわ)公園」、「涸沼自然公園」、「松川夕日の郷」にキャンプ場があります。1泊して夕方・早朝に水辺の野鳥を見ることができます。
  • 注意事項

    • 水鳥観察では狭い堤防上を歩くので、足元に注意。
    • 畔を壊したり、農機の通行の妨げになるので、水田の畔や農道には入らないこと。

    日本野鳥の会 茨城県支部については、以下をご覧ください。