ひるがの高原(岐阜県郡上市)

推薦:日本野鳥の会 岐阜

ひるがの高原

ひるがの高原は、郡上市北部に位置しており、広葉樹林、針葉樹林、住宅、別荘、牧草地、畑等がモザイク状になっている高原地帯です。標高は800~900mで、全体的に平坦な地形です。冬季にはかなりの積雪があります。西に位置する大日ケ岳(だいにちがたけ)は標高1,709mで、駐車場と登山道が整備されています。道路は整っており、春から秋にかけて多くの野鳥に出会える場所で、今までに140種類以上が確認されています。

主に三つの地区からなり、東西に長さ約10km幅約4kmの帯状に広がっています。

ひるがの地区は国道156号線の沿線にあり、大昔に湖があったとされ、その後高層湿原になり、ミズバショウなど湿原植物が繁茂していました。今は面積が狭くなりましたが、「ひるがの湿原植物園」をはじめ所々で湿原が保全されています。1960年代に庄川(しょうがわ)に御母衣(みぼろ)ダムが建設されたのに伴い国道が改良され、国道沿線に民家が、さらにスキー場開発により宿泊施設が建設されました。それとあいまって別荘ブームもあり、環境は一変しました。

東側の板橋地区は主に牧草地が広がっていますが、中央を東海北陸自動車道が貫通しています。牧草地では少数のホオアカが繁殖しています。

南側の上野地区の北西端には、東海北陸自動車道のサービスエリアとスマートインターが設置されています。三地区の中では環境変化の少ない地域です。主にダイコン、イチゴ、アスパラガスなどの高原野菜が栽培されています。

人の活動により、著しく変わりゆく高原の環境を見つめ続けたいという思いから推薦しました。

所在地

岐阜県郡上市高鷲町ひるがの・鷲見

環境

池、森林、田んぼ/農耕地、草地、山地、高原

ベストシーズン

4月、5月、6月、7月

見られる鳥

ホオアカ
ホオアカ
オオジシギ
オオジシギ

アオジ、ノジコが見られます。オオジシギとホオアカも見られますが、どちらも生息数が減ってきています。上野地区にある農業用のため池には、ハリオアマツバメが給水に飛来します。カッコウ、ホトトギスがよく鳴き、近年になってコムクドリが繁殖するようになりました。

夏・秋

晩秋になるとマガモ、コガモ等のカモ類が見られるようになります。

豪雪地帯のため留鳥が中心になります。キツツキ類、カラ類、ときおりホシガラスが見られます。ため池は凍結するのでカモ類はいなくなります。

近隣情報

御母衣ダム

御母衣ダム
御母衣ダム

ひるがの高原から車で約15分。高山市荘川町と大野郡白川村にかけての庄川に作られたダム湖で、冬季にはカモ類が見られます。ただしここも豪雪地帯です。
所在地:岐阜県大野郡白川村御母衣

大白川原生林

大白川原生林
大白川原生林

ひるがの高原から車で約1時間。白山国立公園内の広葉樹の原生林です。ブナの巨木の間に遊歩道があり、ゆっくりと野鳥観察をすることができます。露天風呂もあります。ツキノワグマの生息地でもあります。国道156号線から分岐する道路は、11月から6月頃まで通行止めになります。
所在地:岐阜県大野郡白川村平瀬

注意事項

住宅・別荘等の人家が多くあり、また農耕地もあるのでマナーを守り、野鳥観察をしてください。

日本野鳥の会 岐阜については、以下をご覧ください。