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- 東京湾に残された干潟(三番瀬、谷津干潟、小櫃川河口)
東京湾に残された干潟(三番瀬、谷津干潟、小櫃川河口)
推薦:日本野鳥の会 千葉県
ハマシギとスズガモ群(小櫃川河口干潟)
東京湾にはかつて広大な干潟が拡がり、地球規模で移動する渡り鳥にとって貴重な中継地としての役割を果たしてきましたが、その多くが工業団地等の開発によって埋め立てられてしまいました。現在では、干潟としての機能が残り、まとまって野鳥観察できるのは、三番瀬(さんばんぜ)、谷津(やつ)干潟、小櫃川(おびつがわ)河口だけとなっています。いずれの干潟も熱心な市民活動の結果、現在の姿が守られていますが、未来に引き継ぐためにはさらに多くの方の理解と協力が必要です。
三番瀬は東京湾の最奥部に位置し、船橋市をはじめ、習志野市、市川市、浦安市の沖合に広がる干潟・浅海域です。海浜公園の前面に広がる干潟は人工的に作られたものですが、干潟の生物を身近に観察できる場所として家族連れも多く訪れます。
谷津干潟は周囲が住宅地、工業団地へ造成される中で、奇跡的に埋立てを免れた長方形の湿地です。シギ類、チドリ類の希少な生息地として環境保護活動が行なわれた結果、鳥獣保護区に指定され、さらには1993年にラムサール条約湿地に登録されました。
小櫃川は、河口が木更津市の盤洲(ばんず)干潟の中心として三角州による湿地帯を形成しています。希少になった塩性のアシ原が拡がる東京湾の干潟の原風景が残された場所として、ハマエンドウなどの海浜植物も観察できる貴重な場所となっています。
干潟は野鳥だけでなく、ハゼなどの魚類、カニなどの甲殻類やゴカイ、貝など多様な生物が生息しており、日本野鳥の会千葉県では定期的に探鳥会を開催し、野鳥の観察を通じて、干潟が生物多様性を確保し、安定した自然環境を維持する上で重要な役割を果たしていることを伝えています。
所在地
千葉県船橋市、習志野市、木更津市
環境
海、干潟、川/河原
ベストシーズン
1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
見られる鳥
ハマシギ・ミユビシギ・オオソリハシシギ等のシギ類や、ダイゼン・メダイチドリ等のチドリ類は春・秋の渡りシーズンで多くの種類が観察できますが、それ以外の季節でも多様な姿を見ることができます。また、夏にはアジサシ類、冬はカモメ類、カモ類が多く訪れます。
三番瀬では一年を通じてミヤコドリが姿を現し、最近はズグロカモメも人気です。小櫃川河口ではヨシ原での小鳥やチュウヒ等の猛禽類との出会いもあります。ただし、いずれの鳥も年々その数を減らしており、例えば、スズガモはかつて東京湾に10万羽程度は確認されましたが、現在は2万羽程度と、危機的な状況になっています。
近隣情報
三番瀬には「ふなばし三番瀬環境学習館」、谷津干潟には「谷津干潟自然観察センター」があり、それぞれの干潟の状況を学習することができます(入場料は有料)です。
- 谷津干潟自然観察センター
千葉県習志野市秋津5-1-1
注意事項
干潟は干満によって大きく風景が変わり、観察できる鳥も変化します。事前に潮汐表を確認しつつ、現地でも急激な満ち潮にはご注意ください。
日本野鳥の会 千葉県については、以下をご覧ください。