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- 第11次鳥獣保護事業計画の基本指針の見直しに関する意見
第11次鳥獣保護事業計画の基本指針の見直しに関する意見
CBD市民ネット生物多様性関連法制度部会
(平成22年12月22日 中央環境審議会第2回鳥獣保護管理小委員会ヒアリングにて講述)
目 次
<1>指針見直しの在り方についての意見 草刈秀紀(WWFジャパン)・・・ 1
<2>有害捕獲に関わる諸問題:特措法、特定計画、わな、錯誤捕獲、許可基準、報告等
野上ふさ子(特定非営利活動法人 地球生物会議ALIVE 代表)・・・ 2
<3>特にツキノワグマの保全にかかわる点について
坂元雅行(特定非営利活動法人 トラ・ゾウ保護基金(JTEF)事務局長・・・ 7
<4>前回からの積み残し課題:愛がん飼養制度の廃止、鳥インフルエンザ等の感染症対策、鳥獣害防止策の適切な指導
古南幸弘(財団法人日本野鳥の会自然保護室)・・・ 9
<5>鳥獣保護法の適用除外種(省令で定める海棲哺乳類)の除外の削除を求める
倉澤七生 イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク)・・・ 14
<1>指針見直しの在り方についての意見
草刈秀紀(WWFジャパン)
1) 前回の鳥獣保護の基本的な指針策定(2007年、以下「指針」)後、何が変わったか?
・鳥獣被害対策特措法(2008年2月)
・生物多様性基本法(2008年6月)
・生物多様性国家戦略2010(2010年)<法定計画>
・生物多様性条約COP10、愛知ターゲットの合意(2010年10月)
・ツキノワグマの異常出没(2010年)
・ニホンザルの大量捕獲(2010年)
・【予定】海洋生物多様性保全戦略(2011年3月)
・鳥獣保護法見直し(2012年)
・その他:特定鳥獣保護管理計画の低迷化(増えていかない)。感染症の発生(高病原性鳥インフルエンザ、口蹄疫)。外来生物法との調整。
上記の現状を踏まえて、各法律の整合性と改正や指針の改定を考えるべきである。
2) 生物多様性基本法に基づく問題点
・ 上位法として生物多様性基本法が新たな理念として制定、施行されているが基本法に基づき指針を改定する考えが明確に示されていない。
・ (国民及び民間の団体の責務)第七条を尊重すべきである。基本法には、民間団体の責務が明確に記されている。今回の小委員会における意見陳述程度のレベルではない。民間団体の責務として今回の指針を対応する必要がある。
・ しかし今回の検討では、NGOが協力できる働きかけにはなっていない。委員に国内で活動しているNGOが入っていない。(多様な主体の連携及び協働並びに自発的な活動の促進等)第二十一条にも沿っていない。
・ (基本原則)第三条1項から5項までの記述を遵守すること。
[該当条文]
(基本原則)
第三条
生物の多様性の保全は、健全で恵み豊かな自然の維持が生物の多様性の保全に欠くことのできないものであることにかんがみ、野生生物の種の保存等が図られるとともに、多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて保全されることを旨として行われなければならない。
2 生物の多様性の利用は、社会経済活動の変化に伴い生物の多様性が損なわれてきたこと及び自然資源の利用により国内外の生物の多様性に影響を及ぼすおそれがあることを踏まえ、生物の多様性に及ぼす影響が回避され又は最小となるよう、国土及び自然資源を持続可能な方法で利用することを旨として行われなければならない。
3 生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、生物の多様性が微妙な均衡を保つことによって成り立っており、科学的に解明されていない事象が多いこと及び一度損なわれた生物の多様性を再生することが困難であることにかんがみ、科学的知見の充実に努めつつ生物の多様性を保全する予防的な取組方法及び事業等の着手後においても生物の多様性の状況を監視し、その監視の結果に科学的な評価を加え、これを当該事業等に反映させる順応的な取組方法により対応することを旨として行われなければならない。
4 生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、生物の多様性から長期的かつ継続的に多くの利益がもたらされることにかんがみ、長期的な観点から生態系等の保全及び再生に努めることを旨として行われなければならない。
5 生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、地球温暖化が生物の多様性に深刻な影響を及ぼすおそれがあるとともに、生物の多様性の保全及び持続可能な利用は地球温暖化の防止等に資するとの認識の下に行われなければならない。
(多様な主体の連携及び協働並びに自発的な活動の促進等)
第二十一条
国は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を適正に策定し、及び実施するため、関係省庁相互間の連携の強化を図るとともに、地方公共団体、事業者、国民、民間の団体、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し専門的な知識を有する者等の多様な主体と連携し、及び協働するよう努めるものとする。
2 国は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する政策形成に民意を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、事業者、民間の団体、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し専門的な知識を有する者等の多様な主体の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの活用等を図るものとする。
3 国は、事業者、国民又は民間の団体が行う生物の多様性の保全上重要な土地の取得並びにその維持及び保全のための活動その他の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する自発的な活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
<2>有害捕獲に関わる諸問題:特措法、特定計画、わな、錯誤捕獲、許可基準、報告等
野上ふさ子(特定非営利活動法人 地球生物会議ALIVE 代表)
全体に関する意見
1. 本指針の印刷物の体裁が悪く、検索する箇所がすぐに見つからない。
大見出し、中見出し、小見出しをゴシック文字にして、章だてを区別する。
目次を作り、ページ数を入れる。単語の索引を付け、該当箇所が速やかにわかるようにすること。
2.鳥獣害対策特措法との関係を、関連個所に記述すること。
特措法では、鳥獣の特定計画で設定された捕獲数の上限を越えて捕獲することが認められているが、それを誰がどう判断し、計画をどのように修正するのか手続きが不明瞭である。
さらに、特定計画自体が策定されていない都道府県で、特措法の市町村計画を実施している場合は、都道府県全体での実態把握が困難となっており、鳥獣の保護管理に重大な懸念が生じている。
鳥獣保護法と鳥獣害対策特措法の整合性を点検する必要がある。
Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項への意見
第一 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する基本的な考え方
【該当箇所】
1 基本的な考え方
【意見】 生物多様性条約COP10を受け、野生鳥獣の保護管理およびその土台となる生息地の保全に関する国の方針を明確にすること、
鳥獣害対策特措法との関係を記述すること。
市町村に捕獲権限を委譲している県では特定計画を策定すること。
【該当箇所】
同 2 鳥獣保護事業をめぐる現状と課題
【意見】 市町村に捕獲権限を委譲している県では特定計画を策定すること。
【該当箇所】
同 (6) 鳥獣の流通及びその他の課題
【意見】 有害駆除されたニホンザルが大量に繁殖用に実験施設に送られており、その施設で病原性ウイルスによる大量死が起こっている。感染症対策の観点を記述すること。(資料1)
第二 鳥獣保護事業のきめ細かな実施
【該当箇所】
1 制度上の区分に応じた保護管理
(1) 希少鳥獣
【意見】 絶滅のおそれのある地域個体群について明記すること。
第六 狩猟の適正化
【該当箇所】
3 網猟とわな猟の適切な実施
【意見】 わなによるツキノワグマの錯誤捕獲が急増している。ツキノワグマの錯誤捕獲が多い夏期には箱わなを閉じる、くくりわなの直径を12センチ以下にする等の対策を書き込むこと。
第十一 関係主体の役割の明確化と連携
【該当箇所】
1 関係主体ごとの役割
(1) 国の役割
【意見】 地方分権により鳥獣の捕獲権限が市町村に移譲され、捕獲の実態の把握が困難になっている、国は速やかな実態把握に努めること。
鳥獣害対策特措法に基づく市町村計画の策定に関わる農業改良普及員について、鳥獣保護法、特定外来生物法、動物愛護法等の関連法の順守規定を周知徹底させること。
【該当箇所】
(2) 地方公共団体の役割
【意見】 都道府県は、権限委譲した市町村から捕獲実態の情報の提供を求め、国に正確な捕獲頭数等の報告を行うこと。市町村は特措法に基づく捕獲に関して捕獲頭数、捕獲場所、捕獲後の処理等に関する報告書を作成し公開すること。
Ⅱ 鳥獣保護事業計画の作成に関する事項
第四 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可に関する事項
【該当箇所】
(1) 許可しない場合の基本的考え方
①捕獲後の処置の計画等に照らして明らかに捕獲の目的が異なると判断される場合
【意見】具体例をあげること。たとえば、動物実験目的や商業利用など。
【該当箇所】
(2) 許可する場合の基本的考え方
【意見】 学術研究を目的とする場合の例を、具体的に明記すること。
あるいは、「第四 2 学術研究を目的とする場合の、① 研究の目的及び内容が次の1」から4」までのいずれにも該当するものである」ことをこの箇所にも明記すること。
【該当箇所】
(3) わなの使用に当たっての許可基準
【意見】 鳥獣保護法改正で、わなによる錯誤捕獲を防止する等の目的のために、狩猟ではトラバサミの使用禁止、くくりわなの直径の大きさ等の規制がかけられた。しかし、有害捕獲ではこの規制がなく、特にイノシシ用のわなにクマがかかる事例が多発している。これは、わなの規制緩和により里山に数多くのわなが設置されるようになったことにも起因していると推定される。わなの種類、設置個所、個数等に関しての記録をとり、錯誤捕獲を避ける対応が必要である。
(例)長野県でのツキノワグマの錯誤捕獲件数
平成20年 55件 平成21年 82件 平成22年 166件(10月末まで)
長野県では基本的に錯誤捕獲の場合は放獣しているが、他県では捕殺されることが多い。
(資料2)
環境省でも錯誤捕獲の統計を取っておらず、実態は不明である。
【意見】 都道府県に錯誤捕獲の統計を取ることをもとめ、環境省の鳥獣関係統計に錯誤捕獲と放鳥獣の有無の項目を設けるべきである。
地球生物会議の調査では、47都道府県中34道府県が有害捕獲目的でのトラバサミの使用を認めている。しかし、小動物の有害捕獲の許可権限はほとんどが市町村に移譲されているため、都道府県がトラバサミの使用実態を把握できなくなっている。(資料3)
また、有害捕獲ではトラバサミの使用が認められているために、インターネット通販などで誰でも自由に購入できる。それによって地域の猫が捕獲されるなど違法行為を助長させている。トラバサミは、許可捕獲においても禁止とし、違法使用を根絶させるべきである。
【該当箇所】
(6) 捕獲実施に当たっての留意事項
【意見】 ② ツキノワグマの生息地域であって錯誤捕獲のおそれがある場合は、原則としてわなを使用しないようにすること。
【該当箇所】
(7) 捕獲物又は採取物の処理等
【意見】 「捕獲物等が鳥獣の保護管理に関する学術研究、環境教育等に利用できる場合は努めてこれを利用するよう指導するものとする」の学術利用にいては、「第四 2 学術研究を目的とする場合の、① 研究の目的及び内容が次の1」から4」までのいずれにも該当するものである」ことを参照すること。
有害捕獲されたクマの胆のうについては流通しないように管理すること。
新たに、「捕獲個体を致死させる場合」についての項目を設け、出来る限り苦痛を与えない致死処分の具体的な方法について明記すること。
新たに、「錯誤捕獲した個体の取扱い」についての項目を設け、以下を明記すること。
・ 錯誤捕獲について、鳥獣の種類、頭数、日時、場所、捕獲方法等を記録し、報告すること
・ 原則として所有及び活用はできないこと
・ 放鳥獣の検討を行うこと
・ 狩猟鳥獣以外においては捕獲された個体を生きたまま譲渡する場合には飼養登録等の手続が必要となる場合があること、ニホンザルの場合は都道府県への飼養登録及び動物愛護管理法に基づく特定動物の使用許可が必要であること。
・ 捕獲許可申請に記載された捕獲個体の処理の方法が実際と異なる場合は法第9条第1項違反となる場合があること
【該当箇所】
(8) 捕獲等又は採取等の情報の収集
【意見】 鳥獣の捕獲数の正確な記録と速やかな報告を行うこと。
鳥獣害対策特措法に基づく市町村の被害防止計画は、鳥獣保護事業計画との整合性が取れていなければならないが、市町村で特措法に基づいて捕獲された鳥獣の数が、都道府県に正確に報告されているかどうか不明である。捕獲数は鳥獣の生息実態の基本資料でもあり、正確な記録と報告を義務付けること。
【該当箇所】
3 鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止を目的とする場合
1) 有害鳥獣捕獲についての許可基準の設定
①基本的考え方
1) 基本的な方針
【意見】 ニホンザルの捕獲数が急速に増大し平成20年度には空前の1万8000頭を超えている。
(資料4)
従来の議論でも、捕獲数と被害の軽減は一致しないことが明らかなっている。西日本では全群捕獲が行われていると推定され、地域個体群の絶滅が危惧される。
鳥獣害対策特措法との関連性、被害対策が有効に実施されているかを検証すること。
【該当箇所】
2) 予察捕獲
【意見】 予察捕獲がはたして個体数の抑制や被害の防止に役立っているか不明。生息環境の変化等をふまえ、漫然とした慣例・慣行や特定の者に対する利益供与のための予察捕獲は廃止するべきこと。
【該当箇所】
② 捕獲許可基準の設定方針
3) 期間
ア 有害鳥獣捕獲の期間
【意見】 被害等が生じている期間ではなく、1カ月~3カ月単位として、更新制とするべきである。1年中、有害駆除されている状態は異常である。
【該当箇所】
第七 鳥獣の生息の状況の調査に関する事項
【意見】 捕獲情報は生息調査に重要な指標であるため、「必要に応じて」ではなく、「積極的に」狩猟や有害鳥獣捕獲による捕獲情報を迅速かつ効率的に集積し活用するための情報システムの整備及び活用を図るとするべきである。
資料1:東京新聞記事(2010.7.31)
資料2:信濃毎日新聞記事(2010.1118)
資料3:とらばさみに関するアンケート結果(地球生物会議、2010.6)
資料4:急増するニホンザルの捕獲数(鳥獣関係統計より)
<3>特にツキノワグマの保全にかかわる点について
坂元雅行(特定非営利活動法人 トラ・ゾウ保護基金(JTEF)事務局長)
【意見を述べる背景】
今年度捕殺されたツキノワグマの数は11月末時点で3,419頭に達しました。 近年では、2,021頭が捕殺された2004年度、4,340頭が捕殺された2006年度に続く大量捕殺で、既に2004年度の数を上回っています。同時に、多くの人々の死傷も起きています。この事態は、人の生命身体を危険にさらし、多くのクマの生命を奪い、さらにクマの保全に対する人々の理解を後退させるという点でも非常に深刻です。
本来、鳥獣保護法は、このような事態が繰り返し起こることを防止する上で中心的な役割を果たすべきであり、現にそのような立法上の位置にあります。しかし、残念なことにその実現にはほど遠いのが現状です。そこで、今回の基本指針見直しに当たり、少なくともJTEFは以下の点が反映されるべきだと考えます。
Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項
【該当箇所】
第二 2(2)
【意見1】
「 保護管理について特に配慮が必要な鳥獣」として留意すべきものとして、「有害捕獲数の年変動が大きく、捕獲数が多い年は相当量にのぼることがある種」を加えること。
Ⅱ 鳥獣保護事業計画の作成に関する事項
【該当箇所】
第四 3 (2) ① 2) 予察捕獲
【意見2】
現行指針は、「ツキノワグマ、イノシシ、ニホンザル等の特定計画が作成されている鳥獣については、特定計画に基づく個体数調整としての捕獲に努めるものとする」としているが、都道府県の特定計画策定の努力をいっそう促すため、以下の下線部のように見直しを行うこと。
「ツキノワグマ、イノシシ、ニホンザル等については、特定計画を策定するよう努め、それに基づく個体数調整としての捕獲に努めるものとする。
【該当箇所】
第四 3 (2) ② 2) ウ(捕獲等又は採取等の数)
【意見3】
「ツキノワグマなど有害捕獲数の年変動が大きく、捕獲数が多い年は相当量にのぼることがある種については、捕獲許可実績が、捕獲数が少ない年の実績を大きく上回らないよう慎重に捕獲許可を行い、また捕殺に代わる学習放獣に積極的に努めるものとする」との記述を加えること。
【該当箇所】
第十 2
【意見4】
「保護管理について特に配慮が必要な鳥獣」に関する項を設けること。
【該当箇所】
第十
【意見5】 「生息環境管理及び被害防除対策に係る総合的な取組み及び必要な実施体制の整備」の項を設けること。
この項目は、「Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項 第十一 1 (2) イ」において「条例に基づき鳥獣保護事業を実施する市町村は、都道府県知事の定める鳥獣保護事業計画の下で、国及び都道府県と連携して鳥獣保護事業を実施するものとする。具体的には、委譲された権限を踏まえ、実施計画の作成を含め、個体数管理、生息環境管理及び被害防除対策に係る総合的な取組及び必要な実施体制の整備に努めるものとする。」と記述されていることを受けて、記述されるべきものである。
新設された項目の中には、次の点を記述すること。
ツキノワグマのように、鳥獣と人間活動間の軋轢低減が喫緊の課題となっている一方、生息環境管理及び被害防除対策が十分でない鳥獣については、それらを推進する。
(1)生息環境管理
本来の生息地の質を回復するため、たとえば森林が生息地となっている場合には、次のような管理を行う。
・ 自然林を中心とした森林の保護(連続した森林の維持、森林パッチ間のコリドー確保、森林パッチの林縁部最小化)
・ 人工林の広葉樹化
・ 人工林の手入れ(間伐など)による、食物となる下層植生の増加
(2)被害防除対策
被害防除を効果的に行うため、たとえばツキノワグマのように鳥獣の行動圏と人の生活圏との重なりを避けるべき場合には、次のような対策を行う。
・ 鳥獣による里山及び里の利用形態の実態把握
・ 各地域に適した奥山と里の間の緩衝地帯の再構築(たとえば、斜面林、河畔林、果樹園、養蜂場などへの電気柵の設置、整備された林内で箱ワナ捕獲後の学習放獣の体制をとること、栽培作物の種類・栽培方法・植え付け配置を再検討することなど)
<4>前回からの積み残し課題:愛がん飼養制度の廃止、鳥インフルエンザ等の感染症対策、鳥獣害防止策の適切な指導
古南幸弘(財団法人日本野鳥の会自然保護室)
<4-1>愛がん飼養制度の廃止
【該当箇所】
Ⅱ 鳥獣保護事業計画の作成に関する事項
第四 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可に関する事項
1 鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等に係る許可基準の設定
(2) 許可する場合の基本的考え方
④ その他特別な事由を目的とする場合
【意見】 以下を削除する。
4) 愛がんのための飼養の目的
個人が自らの慰楽のために飼養する目的で捕獲する場合。
【理由】
● 理念との矛盾
鳥獣の愛がん飼養目的の許可は、「④その他特別な事由を目的とする場合」の一つとして挙げられ、許可基準を「メジロに限る。1世帯あたり1羽までとする。」と示している。しかし同指針には同時に「鳥獣の愛がん飼養は、鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという理念にもとるのみならず、鳥獣の乱獲を助長するおそれもあるので、飼養のための捕獲または採取の規制の強化に努めるものとする」との基本的見解が明記されており、これは愛がん飼養目的の捕獲を許可することとそもそも矛盾している。
他方、愛がん飼養を、他の公益的な捕獲理由と並べて「その他特別な事由を目的とした場合」に含む理由はどこにも示されていない。愛がん飼養の目的は「個人の慰楽」であって、公益的な目的は何ら認められず、むしろ次に述べるように違法行為を助長している。
今年度策定された生物多様性国家戦略においても、「制度そのものの必要性について検討が必要」との疑念が呈示されている。この際、捕獲の「その他特別な事由」から外すべきである。関連して、施行規則の改正を行うべき。
● 違法行為の助長
野鳥の鳴き声を競い合わせる「鳴き合せ会」という因習的催しが一部の飼い鳥マニアの間で行われている。鳴き合せ会では非常にしばしば、無許可で捕獲された個体が出品されているが、愛がん飼養許可の出ている個体を隠れ蓑にしていることが多い。鳴き合わせ会で優勝した野鳥は、高い金額で売買されるため、暴力団の資金源になっていることもある。愛がん飼養制度の残っていることが密猟を助長し、犯罪を横行させる結果となっている。
◆参考1:生物多様性国家戦略2010(平成22 年3月16 日)
第2部第2章第1節 野生生物の保護と管理
2.5 違法捕獲の防止など
(現状と課題)
愛がん飼養のための捕獲及び飼養については、その対象種を順次減らしており、現在はメジロ1種のみ、一世帯1羽に限り捕獲及び飼養できることとなっています。しかし、違法に捕獲される事例も数多く発生していることから、愛がん飼養制度そのものの必要性について検討が必要です。(中略)
(具体的施策)
○ 愛がん飼養のための捕獲許可を平成19 年に策定した「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」に基づき、捕獲の方法、区域などについて適正に推進します。(環境省)
○ 鳥獣保護員を活用し警察や地方公共団体、自然保護団体とも連携して、違法捕獲及び違法飼養の取締りの強化を推進します。(環境省)
愛がん飼養制度の現状を踏まえたその必要性について検討を行います。(環境省)
◆参考2:愛がん飼養の来歴と評価:野生鳥獣保護管理検討会報告書(平成16年12月公表)から
イ 愛がん飼養
愛がん飼養を目的とした鳥獣の捕獲許可については、昭和32年の鳥獣審議会の答申において、本来は捕獲を禁止すべきものであるが、旧来より飼養の慣行もあるので、制度の運用に当たっては、学術研究、教育参考資料、愛がん飼養のため必要な場合に限り、最小限度においてこれを許可するようにすべきであるとされ、飼養に関する慣行を認めてきたところである。
また、昭和53年の自然環境保全審議会の答申においては、日本に生息する種類の鳥獣の愛がん飼養を広範囲に認めることは、鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという理念にもとるのみならず、鳥獣の乱獲を助長することとなるおそれがあるので、廃止することが望ましいが、過渡的措置として、次のような規制の強化を図る必要があるとして、飼養のための捕獲の許可基準の厳格化や輸出国の適法捕獲証明書の制度等により、国内産鳥獣の保護に好ましくない影響を与えることのないよう適切な指導を行う必要があるとされている。
愛がん飼養目的の捕獲許可は、かつては7種について認められていたが、捕獲については最小限度許可するとの考え方を踏まえ、これまで許可対象種を減らしてきており、平成11年からは、「第8次鳥獣保護事業計画の基準(」現在の基本指針)において、メジロ、ホオジロの2種のうちいずれか1種について、1世帯1羽のみ飼養を認める扱いとしている。
一方、都道府県の許可の状況を見ると、愛がん目的の許可を行っていない都道府県や高齢者や身体障害者など野外や山野で自然を楽しむことが難しい者に限定して許可をしている都道府県もある。
このような中、昭和32年の答申等を踏まえ、野鳥の愛がん飼養は順次禁止すべきであるという指摘がある。
愛がん飼養については、上記のような鳥獣審議会の考え方を基本としつつ、近年の対象鳥獣の生息状況、許可の状況、捕獲状況、飼養の実態等を勘案し、さらなる規制について検討することが考えられる。
◆愛がん飼養制度が密猟を助長し密猟者に悪用されている近年の事例(全国野鳥密猟対策連絡会調べ)
・ メジロ等野鳥10羽の違法飼養により摘発された鳴き合せ会(NPO法人日本鳴合文化保存協会)会員が、愛がん飼養登録を受けたメジロ1羽を所有していた。このメジロは装着登録票(足環)を着けておらず、2~3才という鑑定だったが、捕獲時期から6歳以上であることと矛盾していた。しかしこの個体は押収されなかった。NGOからの抗議にも関わらず県はこの飼養登録を抹消しなかった(2005年7月奈良県上牧町)
・ メジロ4羽を違法飼養していた男が、飼養登録をしており、期限の切れた飼養登録票で警察官を欺こうとした。登録個体は装着登録票(足環)を着けていなかった。(2010年4月広島県府中市)
・ 死亡した父親名義で愛がん登録申請をしようとした男性の自宅から密猟されたメジロ、オオルリ等85羽が発見された(2009年9月徳島県牟岐町)この他、徳島県内で平成17年度から平成21年度に検挙された密猟者41名のほとんどが、飼養登録票を所持していたとの情報がある。
・ メジロ13羽を違法飼養していた男性が、警察の調べに対し許可を得ているといって飼養登録票を見せた。しかし、押収した13羽中に足環装着個体はいなかった。(2010年12月三重県熊野市)
◆都道府県における対応状況
第10次鳥獣保護事業計画においてメジロの捕獲許可を認めていない都道府県は16自治体ある。これにここ数年許可を下ろしていない自治体は8に上り、合せて24自治体が実態としてすでにメジロの捕獲許可を出していない。すなわち、50%を超える都道府県が愛がん飼養をすでに認めていない。
◆メジロの飼養数は、過去に許可対象からはずれた鳥類にくらべて実は少ない
平成20年度のメジロの飼養登録数は6,013羽(暫定値)である。これは過去に愛がん飼養目的の捕獲許可対象からはずれた鳥類と比べて少ない。捕獲許可を打ち切る前年の時点の飼養数は、ヤマガラは6,048羽(昭和53年度)、ウグイスは14,565羽(昭和54年度)であった。現在のメジロよりも飼養数が多い時点で、捕獲許可を打ち切っている。
◆施行規則の改正が必要な該当箇所
第五条 法第九条第一項の環境省令で定める目的は、次に掲げる目的とする。
一 鳥獣の保護に係る行政事務の遂行
二 傷病により保護を要する鳥獣の保護
三 博物館、動物園その他これに類する施設における展示
四 愛がんのための飼養
五 養殖している鳥類の過度の近親交配の防止
六 鵜飼漁業への利用
七 伝統的な祭礼行事等への利用
八 前各号に掲げるもののほか鳥獣の保護その他公益上の必要があると認められる目的
【改正案】
施行規則第五条から、上記の下線部(四 愛がんのための飼養)を削除する。
<4-2>鳥インフルエンザ等の感染症対策
【該当箇所】
Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項
第七 傷病鳥獣の取扱い
第十 人獣共通感染症への対応
Ⅱ 鳥獣保護事業計画の作成に関する事項
第十 その他鳥獣保護事業の実施のために必要な事項
8 傷病鳥獣救護の基本的な対応
【意見】
高病原性鳥インフルエンザの発生等の状況に鑑み、以下のことを明記し施策を実施すべき。
・ 地方自治体の活動と連携して、傷病鳥獣として保護収容される個体の分析により、自然界に排出された鉛やその他の有害物質などが与える影響、野生動物の疾病や事故の影響、原因の適切な把握に努め、防止策を策定する。
・ 高病原性鳥インフルエンザの重要な野鳥生息地における高病原性鳥インフルエンザの発生に伴う絶滅危惧種の鳥類の保護体制を強化するため、環境省と自治体が協力して緊急時の行動計画を策定、実施する。
◆参考:生物多様性国家戦略2010(平成22 年3月16 日)
第2部第2章第1節 野生生物の保護と管理
2.6 野生鳥獣の救護体制など
傷病鳥獣として保護収容される個体の分析により、その原因の把握や自然界に排出され
た鉛やその他の有害物質などが与える影響の適切な把握に努めるとともに、水鳥や大型
猛禽類の鉛中毒を防止するため、鳥獣保護法に基づく指定猟法禁止区域制度を活用した
鉛製銃弾の使用禁止区域の指定を促進します。
<4-3>鳥獣害防止策の適切な指導
【該当箇所】
Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項
第一 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する基本的な考え方
3 鳥獣保護事業の実施の方向性
(2) 人と鳥獣の適切な関係の構築 または
(3) 地域住民の理解と協力、鳥獣保護事業の普及啓発等
【意見】
農業や生活環境被害の防止において、野生鳥獣の生態や被害発生のメカニズム、対処方法に関する知識の不足から、事例1、2に代表されるような脱法状態が長く継続したり、違法行為が発生したりしている。有害鳥獣捕獲の許可権限が市町村に移されたが、鳥獣被害管理について知識、経験、情報が不足していることに起因しているものと思われる。「Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項 第一 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する基本的な考え方 1 基本的な考え方」に示された「これら鳥獣の個体数管理、生息環境管理及び被害防除対策の実施による総合的な鳥獣の保護管理が必要となっている。」
に対応し、有害鳥獣駆除が行われた鳥獣による被害状況を環境省として分析すべき。またこれに基づいて、生態や被害発生のメカニズム、対処方法に関して、都道府県や市町村に対して必要な情報を提供したり研修を行うことを強化すべきである。
◆事例1:ハス田における羅網被害の放置
茨城県霞ヶ浦一帯(かすみがうら市、小見玉市、土浦市、北浦町、稲敷市)では平成16年に始まった農水省補助金による防鳥網の設置以降、ハス田に於いて野鳥の羅網事故が頻発している。日本野鳥の会茨城県による平成22年1~2月の調査では20種以上1205羽が羅網しており、この中には種の保存法国内希少野生動植物種であるオオタカも含まれていた。農家が不適切な方法(網がたるんでいる、横糸のあるカスミ網と同じ構造の網の張り方をしている、網の下部を開けっ放しにしている、収穫後も網を片付けていない)で網を使用していることにより羅網被害が続いていると考えられるが、この状態を市村も県も把握しながら放置しており、未必の故意の状態とも考えられる。またカスミ網様の構造の網の使用も見られ(写真)、法の運用上大きな問題がある。
カモ類等が泥中のレンコンをつつくために被害が生じるとされているが、被害発生のメカニズムと防除方法の開発について、市村も県も手をこまねいている状態。また日本野鳥の会茨城県により、被害が少ないタイプの網の張り方や材質の製品が具体的に提案されているが、価格や手間の問題で実行されていない。(日本野鳥の会茨城県の機関紙、資料による)
網の下部が開放されていたため網内に進入して天井部分に羅網
カスミ網状になっている防鳥網
オオタカ
(以上写真提供 日本野鳥の会茨城県)
◆事例2:サギ山(サギ類の集団営巣地)の自治体による違法な駆除
2008年6月20日、大田原市美原公園内の池にある島において、大田原市により、そこで集団繁殖するゴイサギに対する駆除が行われた。住民からの生活環境に関する被害の苦情に基づいたものであったが、非繁殖期における営巣木の枝払いや伐採など、予防措置や早期対応を行わず、また「卵200個」という許可内容に反して30羽以上の雛を巣から落として殺した。市の担当者の、ゴイサギそのものおよびその集団営巣に関する対処策の知識不足に関して発生したと推測される。(日本野鳥の会栃木の資料による)サギ山における理解不足に起因する違法行為は、各地で毎年のように発生している。
<5> 鳥獣保護法の適用除外種(省令で定める海棲哺乳類)の除外の削除を求める
倉澤七生 (イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク)
【該当箇所】
Ⅰ 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項
第二 1 制度上の区分に応じた保護管理
(3) 渡り鳥及び海棲哺乳類
②法の対象となる海棲哺乳類については、科学的なデータの収集を図るとともに、生息状況や地域個体群の動向、漁業への影響を踏まえ、必要な保護管理施策を検討し、地域個体群の存続を図る。
なお、国は法第80条に基づく法の適用除外となる鳥獣であって海棲哺乳類に属するものについては、関係行政機関との連携・協力の下、その生息や保護管理の状況に関する情報の収集に努め、他の法令による適切な保護管理が図られないと認められるときは、速やかに適用除外の検討の見直しを図るものとする。
【意見】
・海洋の健全な環境を保つためには、海洋生態系の要である海生哺乳類の保全と管理は不可欠である。鳥獣保護法の包括的な改正を視野に、80条の除外規定を見直し、海生哺乳類の保護・管理を含めた管理のあり方を基本指針に挿入すべきである。
【背景と理由】
・ 2002年の鳥獣保護法改正で、衛生害獣及び海生哺乳類を除外する80条については国会で大きな議論があった。
・ 論点としては、これまで適正に保護の措置が取られていないこと→海生哺乳類の70%がその生息に関して、絶滅の恐れや捕獲の継続による影響、調査が及ばない状態であるなど、何らかの問題があり、保護対象とみなされるべき種。
・ 他の法令(漁業法、水産資源保護法)はもともと漁業の振興のための法律であり、鳥獣保護法とは目的が異なるものである。中には明治45年に作られた「臘虎膃肭獣猟獲取締法」のように時代に即さない法律もある。
・ トドは漁業法で管理されている種だが、鳥獣被害対策特措法の中では、適用除外種ではあるが、鳥獣保護法の個体数管理の一環として扱うと示されている。
・ 「他の法令」である漁業法や水産資源保護法では、当該の種が絶滅の危機に瀕しても、捕獲禁止措置、所持、販売の規制だけで、適切な保護・回復施策のためのツールがない。
・ 今回の「課題(「種及び地域個体群の存続を図る」と修正)」にある地域個体群の考え方は、漁業法、水産資源保護法にはない。
例1:ツチクジラのオホーツク海南部地域個体群は、水産庁の資源評価によるとわずか660頭であり、生態についても十分に理解されていない状態であるが、いまだに小型沿岸捕鯨対象主として毎年捕獲が実施されている。
例2:ミンククジラの日本海/東海個体群(J-stock)は希少な個体群とされているが、毎年、日本国内だけで定置網で130頭前後、混獲されている。日本だけでなく、韓国、北朝鮮、中国でも混獲/捕獲され、日本の調査捕鯨においても捕獲されている。
・10月に開催された生物多様性条約COP10 において、環境省は、クジラなど、環境省の管轄以外の種も含めて海のレッドリスト作成を宣言した。
◆参考:(適用除外)
第八十条 この法律の規定は、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについては、適用しない。
(施行規則)
2 法第八十条第一項の環境省令で定める鳥獣のうち、他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣は、次の表に掲げる鳥獣以外の海棲哺乳類とする。
科名 | 種名 |
動物界 哺乳綱 (一) ねこ目 |
|
あしか科 | ニホンアシカ(ザロフス・カリフォルニアヌス・ヤポニクス) |
あざらし科 | ゼニガタアザラシ(フォカ・ヴィチュリナ) ゴマフアザラシ(フォカ・ラルガ) ワモンアザラシ(フォカ・ヒスピダ) クラカケアザラシ(ヒストリオフォカ・ファシアタ) アゴヒゲアザラシ(エリグナトゥス・バルバトゥス) |
(二) かいぎゅう目 | |
じゅごん科 | ジュゴン(ドゥゴング・ドゥゴン) |
備考 種名の後の括弧内に記載する呼称は学名である。 |
◆参考資料
乱獲や開発で海の生態系が脅かされているのを受け、環境省は23日までに、クジラなどの哺乳類や魚類、海藻といった海の動植物に関する初の総合的な絶滅危惧種リスト(レッドリスト)づくりに乗り出すことを決めた。生物多様性保全のための基礎資料として今後の保護対策に活用する。
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の会場で23日に開いた海に関する関連イベントで明らかにした。
環境省は動植物のレッドリストをまとめているが、海洋生物の多くが水産庁の担当とされているため、海の生物の評価対象はジュゴンや汽水域の魚などごく一部。多数の魚が生息する日本周辺のサンゴ礁には、個体数が極度に減っているコククジラが回遊して来ることもあるが、絶滅危惧種に関する基本的なデータがないため、保護対策の遅れを招いていると指摘されていた。
環境省は近く専門家による研究会を設置して調査方法などを検討する。
2010/10/23 18:51 【共同通信】