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高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2017年04月05日現在)
2017年04月05日掲載
自然保護室
国内で、鳥インフルエンザの確認例が引き続き出ています。発生件数は、1月に45件であったものが、2月には6件、3月には2件(内、確定検査中のものが1件)と発生件数は減ってきておりますが、冬鳥が移動をしている時期ですので、今しばらく注意が必要と思われますので、バードウォッチング等の際の留意点と国内での発生情報をお届けいたします。
むやみに野鳥を恐れる必要はありません
環境省によれば、鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除いて、通常では人には感染しないと考えられています。日常生活においては、鳥の排泄物等に触れた後には手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありません。
- 野鳥の死体を発見した際は、直接、素手で触れるのは避け、都道府県の自然保護関係部署に相談してください。実際に鳥インフルエンザの検査が行われるかは野鳥の種や死体の数によって替りますが、その地域へのウイルスの侵入の早期発見につながることがあります。
野鳥から家禽への感染については、最大の注意を払う必要があります。知らず知らずのうちにウイルスの運搬役にならないように以下の配慮をお願いします。
- バードウォッチングのために、カモ類が多くいる探鳥地を訪れた場合、野鳥の糞の落ちているような水辺には近づかないように配慮する。
- バードウォッチング終了後には、靴底や三脚の石突、車のタイヤ等アルコールスプレー等で消毒する。
- 探鳥後にその足で養鶏場や飼育鳥に近づかない。
バードウォッチングに関する留意事項は、以下をご覧ください。
http://wildbirdfkg.seesaa.net/article/444682580.html
- 餌台に鳥を集めることは野鳥への感染のリスクを高めることにつながります。餌台は清潔に保ち、定期的に消毒をしましょう。近くで感染が見つかった際には、給餌を自粛しましょう。
餌台に関す留意事項は、以下をご覧ください。
http://wildbird.seesaa.net/article/444679541.html
鳥インフルエンザ 高病原性H5N6亜型の感染発生について
2017年04月05日現在
1.野鳥における概況
種名 | 高病原性鳥インフル エンザウイルス(H5N6亜型) | 確定検査機関で検査中 |
ヒシクイ | 2 | |
マガン | 2 | |
コブハクチョウ | 1 | |
コハクチョウ | 19 | |
ハクチョウ類 | 1 | |
オオハクチョウ | 33 | 1 |
オシドリ | 1 | |
ヒドリガモ | 4 | |
マガモ | 2 | |
オナガガモ | 3 | |
ホシハジロ | 4 | |
キンクロハジロ | 1 | |
スズガモ | 2 | |
カンムリカイツブリ | 3 | |
マナヅル | 1 | |
ナベヅル | 23 | |
オオバン | 2 | |
ユリカモメ | 11 | |
オオタカ | 4 | |
ノスリ | 1 | |
フクロウ | 1 | |
ハヤブサ | 6 | |
ハシボソガラス | 1 | |
オナガガモ糞便 | 1 | |
カモ類糞便 | 2 | |
コガモ糞便 | 1 | |
コクチョウ(飼育下) | 20 | |
コブハクチョウ(飼育下) | 52 | |
シジュウカラガン(飼育下) | 4 | |
シロフクロウ(飼育下) | 3 | |
ヒドリガモ(飼育下) | 1 | |
ヒドリガモ/ヨシガモ糞便 | 1 | |
マガモ(飼育下) | 2 | |
環境試料 (ねぐらの水) | 1 | |
飼養施設の水 | 2 | |
合計 | 218 | 1 |
- 野鳥では22都道府県で218件(飼育鳥、糞便資料等を含む)の発生がありました。3月に入ってからは、岩手県盛岡市で3月8日に回収されたオオハクチョウ1羽からH5N6亜型が確認されています。
2 養鶏での検出
- 3月24日に宮城県栗原市と千葉県旭市の養鶏場で各1件の高病原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)が確認されています。
今年の国内での発生状況を地図上で確認できる資料が農林水産省のホームページで公開されています。 - 韓国においては、2月以降に発生した18件(肉用あひる9、採卵鶏4、種あひる・ブロイラー・肉用種鶏・地鶏2)のうちH5N6亜型が2件、H5N8亜型が12件、H5検査中4件となっており、H5N8亜型のほうが多くなっています。
3.病原性、人への感染
- このウイルスは、鳥類に対して高病原性を示します。
- 鳥の種類によって感染した時の症状に差があり、ニワトリのように死に至る種類もあります。
- 哺乳類への感染性は今のところ低いと見られています。農研機構で行われたゲノム配列の解析で、哺乳類や人に対する感染性を持つような変異は見られず、人に感染する可能性は低いと推定されています。中国ではごく少数、人への感染事例が中国で見つかっています(2014年以降16人)が、家禽と接触した人が感染したことが報告されている例が多く、また人から人への感染事例は見つかっていません。
詳しい情報は、下記も併せてご覧ください。
(公財)日本野鳥の会 野鳥と高病原性鳥インフルエンザ
環境省 http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/
現在、対応レベル3になっております。具体的な内容は、以下のPDFを御覧ください。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/pref_0809/list_ap1.pdf
農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/
農研機構プレスリリース http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/niah-neo/072766.html